近年の日本市場における熱狂=上げすぎと、恐怖=下げすぎの両方の例を見ていただきましたが、歴史を振り返れば熱狂と恐怖(この両方が「ときどき台風」ですね)は、何度もありました。

 私が経験しただけでも、熱狂といえば古くは1995年あたりの「アジアンタイガー」などと呼ばれたアセアン経済の過熱、ITバブル、2005~2006年の新興国成長神話バブル。これらの熱狂は後にはじけて、アジア通貨危機からロシア危機、「ニューエコノミー」ともてはやされたIT系企業の倒産ラッシュ、100年に1度と呼ばれたリーマンショックで、金融市場に恐怖をもたらしました。 

 私は、株価は企業収益に基づくものだと思っています。実際の株価は、収益に基づく適正株価の上下を行ったり来たりしているとも思います。適正価格にとどまることの方が少なく、あったとしてもそれは市場にとって通過点でしかないのでしょう。

 そして熱狂と恐怖がともに株価の行き過ぎを生むのですが、その時こそが投資家にとっては最大のチャンス。個人投資家は常にポジションを持つ必要がない、という強みがあります。確信度が高い時にのみ投資をすることが可能なのです。ぜひ、そのチャンスを味方に付けたいものだと思います。

冒険に出る地図として

 株価は何を表しているのか?
 株式投資は、ギャンブルなのか?
 そもそも株価は予測できるのか?

 私がこれらの問いにすべてこたえられるとは思いませんが、少なくとも株価は予想企業収益に沿って動くものであり、そこから大きく上下に外れた場合には、市場が間違っているのか、私の(もしくはあなたの)業績予想が大きく間違っているのかを問い直すべき時だと考えています。

 私の意見に賛成の方も、反対の方もいらっしゃると思います。

 しかし、(予想)利益と株価が高い相関があることを考えれば、企業業績の大局観を持つことは、冒険に出る前に地図を手に入れることに等しいと思います。道に迷った時に見直すべき地図なのです。

 ちょっと宣伝ですが、この地図を作るための情報収集(それも、第1回でご説明したように、資産クラスを超えて機動的に動ける立場で)の幅広さと分析の深さが、我々、UBSウェルス・マネジメントというプライベートバンクの大きな戦力になっていると思います。(こちらにも関連記事が載りました)。

 私の地図では、今、日本企業の業績は、長い目で見たピークに差し掛かっているように読めます。

TOPIXのEPS(1株当たり利益)の推移