「えっ、居林は、前向きな投資や人件費にお金を振り向けることを好材料と捉えないのか」と言われそうですので、先にご説明しておきます。もちろん、設備投資や株主還元はとてもいいことです。社員に対してちゃんと報いるのもいいことです。

 これらは、社会全体に対しては間違いなくいいことですから、株価にも好材料になりえます。ただし下の位のケタですね、ということです。

 投資家は、ここの順位付けの意識をしておくべきだ、と私は思っています。「企業は何のために存在するのですか」という問いに、「企業は社会貢献のために存在する」という答えもあるでしょう。では、「そういう企業に投資するのですか」となると、そこは投資家個人の選択になる。

 あなたはどんな投資家になりたいのでしょうか?「株主優待が欲しい」「この企業を応援したい」、どちらもあり得ると思います。ですから、「いちばん左のケタ」に何を選ぶかというのは、本当は投資家個人それぞれのスタイルによるのです。

あなたの「決め手」を自分で知る方法

 私は、市場の「決め手」として企業収益を一番左のケタにセットします。それは、私がお客様に投資で利益を上げていただくということを目標にしているからです。海外の投資家が日本企業をどう見るのかという点、またドル円の動き、政府・日銀の経済政策というものは、企業収益に影響を与えるゆえに大切なのだと考えています。

 社員に報いる企業がいい、研究開発でノーベル賞に貢献するような企業がいいなど、いろいろな考え方があるのは当然です。ただ、株価にはそれほど関係がないと(私は)思いますよ、ということなのです。

 自分自身は何を優先する投資家なのかを自覚する。もしかしたら、これが株式投資の基本の”き”かもしれません。

 それを知るための良い方法があります。投資日記をつけることです。

 毎日書かなくても大丈夫です(私は週に一度くらいです)ので、今、ご自身が気になっているイベントや政治・経済要因などを書き出してみてください。それが今後どうなると予想するのかというところまで書いてください。これを続けて1年後に見返してみると、何が株価に影響を与えて、何が与えなかったのか見えてくるはずです。

 思ってもみなかったことが起きていたり、予想とは大きく異なる展開になっていたりするのではないでしょうか。ご自身がどういうニュースに反応してケタ間違いしたり、あるいは的中したりを振り返るところから、「自分がどんな投資家で、これからどうなりたいのか」も、分かってくるでしょう。

■変更履歴
グラフについての著者の説明を3ページに追記しました [2016/04/14 13:20]