居林:ああ、これは「あるある」の誤認識ですが、景気と株価の上下はたいして関係はありませんよ。

 え。

居林:「好景気だから株価が上がる」「不景気だから下がる」という常套句は要注意です。「景気が良くて、株価が安いなら上がる」「不景気でも、株価が安ければ上がる」逆ももちろん成り立ちます。

 株価の高い安いは、もちろん居林さんお得意のバリュエーション、予想純利益とPERから弾いた数字に対しての現状ですね(解説した回は「或るプライベートバンカーの株価の読み方」など)。

居林:はい。この関係性について述べることを、かならずと言っていいほどメディアは省略しますね。株価が上がるのは景気がいいから、ではなくて、割安だからなんです。投資家になりたいなら、ここの部分を省略しないでください。実際、株価が上がるのは、景気が悪いときも多かったりしますよ。

いま買っている人はどうしたらいい?

 そうか、割安に評価されやすいし。

居林:2003年には景気が冷え込んでいた中で上がったし、2009年にも上がったことがありました。まあ、割安感が評価されるだけでなく、暗闇に一瞬日が差して、それを勘違いして急上昇することもあるわけですが。一方で、2007年、2008年は景気は決して悪くなかった中、つるべ落としになっています。

 現状の景気がいいとか悪いとか、政策が景気に与える影響とかを考える前に、業績予想を見て、現状と比べないと話になりません。そうしないと、トランプ旋風に乗る羽目になるんです。赤信号を「みんなが大丈夫だから」で渡りはじめちゃダメですよ。みんなで轢かれてしまうんですから。

 まとめますと、この3カ月ほどのトランプ政権期待相場はもう終わりだと考えます。円安以外に企業業績の好転材料がなく、PERは日経平均で16倍とすでに高く、日銀の買い余力も乏しくなっている。日経平均の上値は、あって2万円くらい。ということは、せいぜい5%の上昇ということです。市場のボラティリティが普通でも2割、3割ある(「大荒れ相場? いえ、これって“普通”です。」)中、調整局面があるというリスクを負ってこのリターンでは引き合いません。

 例えば、1万7000円のころに買った方ならば、当時はそこが下値でリスクも小さく、今のレベルでも十分なリターンになりますね。

 なるほど。

居林:申し上げたとおり、今回のトランプ相場では私はずっと「見て」いました。2、3カ月の間、ほぼ我慢の日々でした。しかし日に日にドル円が円高に振れ、いつか調整がはいると確信を強めていたわけです。それが3月22日に現実になった。状況がさらに変化して「波乱」まで行けば新たな投資機会が生まれるわけですが。

 うーむ。じゃ、今まさにトランプ相場に賭けて投資している人はどうすればいいんでしょう。