居林:前回は「個人投資家は今のマーケットに参加する必要なし」という、刺激的なタイトルでした。その前の回では、「風は吹いているが北風だ」ということも申しあげ、「ここまで言って外したら大恥です」という覚悟でした。繰り返し申しあげているように、個人投資家には市場に参加しなくてもよい期間がある、もっというと「投資機会は均等に存在するわけではない」というマーケットの見方を皆様にご紹介したかったのです。

 で、本日(3月22日)、ぐっと日経平均が下がりました。

居林:日経平均は2017年に入って上げてきた分、だいたいプラス3%が、今日までで、600円の下げでなくなりました。もちろん、個別の銘柄から恩恵を受けた人もいるのかもしれません。しかし、今年の第1四半期は大局観で言えば「我慢して買わない」ことを学ぶ、いい訓練期間になったと思います。マーケットは見続けねばなりませんが、常に売り買いする必要はありません。投資を決定するために必要なものは何かを前もって決めて、もしその条件が満たされなければ「なにもしない」という時期もある。いわゆる「見(ケン)」ですね。

 これは、「トランプ相場の終わり」なのでしょうか。

居林:少なくともトランプ政権への期待に伴う「ハネムーン相場の終わり」ではあるでしょう。もちろん、もしかしたら株価は上に動くのかもしれません。でも、それは、懐かしの「クイズダービー」で、倍率20倍の篠原教授に賭けるようなものでしょう。賭に出なかった人の方が報われる可能性は高いと私は思います。

 それでは、このあとどうなると見ますか。

値動きの小ささは異常

居林:現状では為替相場はドル円で111円、日経平均は1万9000円台。これって、セオリーに合っていませんよね。

 米国(FRB)の利上げにも関わらず、為替は円安には動いていない。一方で、株式市場は崩れない。

居林:そうです。水準が合わない。なぜかといえば、日本銀行が「年間6兆円株式を買う」という特殊要因があるからですね。日銀は今年いっぱいまでは買い続けるでしょうが、すでに11兆円の株式を持っている。いつまで持つのか。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオは株式の組み込み比率が限度一杯で、これ以上は買えないように見えます。

 あとはトランプ政権への期待値ですが、もう期待だけでは足りなくなっていますね。オバマケアの代替案を議会が通すかどうかだけでこれだけ揉めていて、「トランプ氏の実行力は期待していたほどではないんじゃないか」と疑いが芽生えてきた。

 ここまでが、いわば新聞記事的な要約なのですが、マーケットの専門家として見ますと、現在の日本株市場は「異常なほど動かない」状況です。ドル円がどうだろうが、この3カ月間3%のレンジの中にいて、100円以上動いた日もあまりない。値動きの刻みがとても細かい。非常に珍しいことです。

 それは何を意味するのでしょう。