居林:米国市場に引きずられて、という理解でよいと思います。レベル感として持っているのは昨年の10月23日の衆議院選挙で安倍政権が大勝したときの日経平均株価 21696円です。ここから株価は1割以上上がりましたね。これが、ちょうど消えた形になっています。これをどう考えるのかが短期的な水準感のポイントだと思います。

記事化できませんでしたが、選挙直前のレクチャーで居林さんは「安倍政権が勝っても、株価に影響はない」と言っていました。なぜなら、株価は中長期的には企業業績の関数で、安倍政権が日本企業の業績改善に繋がるような施策を打つことは考えにくいから、と。

居林:はい。しかし外国人投資家は安倍政権継続を企業業績のプラス要因と見て、年末に掛けて2兆円規模の買いを東京証券取引所にどっと入れました。これが今年1月中旬から売り越しに転じて、1.8兆円(UBS集計)が出て行った。

日本企業は「絶好調」だけど…

利食いして「もういいや」と?

居林:そうかもしれませんし、投資対象を債券なり他の株式市場に回したのかもしれません。そして、すでに指摘されていますが、今回の急落はいかにもアルゴリズム取引らしい感触があります。「市場のボラティリティが上がったらとりあえず売る」という一方通行さを感じます。

ボラティリティは、VIX(恐怖指数)でしたっけ。あれを見ている?

居林:それもあるかもしれませんが、米国のハイイールド債のスプレッド(国債に対する利回り差、です)をよりリスク指標として見ているはずです。VIXはブレすぎるので、リスク指標として使うには少し難しいように思います。このスプレッドが、5年振りにスパイクが出ました。これを見て、企業収益はいいにも関わらずアルゴリズムによる売りが出た。「上がりすぎでは」という米国市場の警戒感、「期待したけど何も出なかった」という日本市場への失望、そして、ボラティリティの上昇によるアルゴリズムの売り、それらが今回の急落の背景で、ある意味、ヘルシーコレクション、健全な温度調整が行われた、という言い方もできると思います。

熱っぽさが取れた。

居林:はい。で、ここまでが短期のお話です。さっき振り返っていただいたように、株価は上場している企業の業績の関数ですから、中長期は企業収益で見なければなりません。

はい、そして、目下日本企業の業績は絶好調ですね。