そこまで理解をしたら、じゃあ、株式投資で何をやるのがいいかというと、信じられないぐらい安い、もしくは高いタイミングがある。そこで買う、あるいは売る。

 また「当たり前じゃないか」と仰るかもしれませんが、これを可能にするには、自分の中に、確固とした判断基準を持っている必要があります。「パニックが行き過ぎているかどうか」を判断する物差しが必要なんですね。

 ちょっと理屈が長くなってしまいました。続きは次回に書かせていただくこととして、せっかくですので当面の市場をどう見るか、考えてみましょう。

12カ月先の業績予想推移を市場間で比較
日本企業の業績予想は国際的に見ても高めに推移
 1月29日の日銀のマイナス金利の導入によって日本株市場は大きく戻りつつありました。我々は、1月中旬に日経平均で1万7000円以下の日本株は売られ過ぎと考えていたため、何かをきっかけにして株価は上昇に転じるだろうと考えていました。日銀のマイナス金利の導入を予期していたわけではなかったのですが、外国人投資家がパニックに近い状態で日本株を売っていたことから、日本株の反発は近いと考えていたわけです。

ツッコミ役は外国人投資家

 先ほどお話しした考え方を当てはめて言えば、日本株市場では、外国人投資家が上値にしろ下値にしろ行き過ぎた株価を作る張本人なのです。

外国人投資家の売買推移

 2015年の1~6月まで、外国人投資家は先物と現物を合わせて日本株を約3.7兆円買い越しました。その後は約9.5兆円を売り越しています。外国人投資家が一部上場の約30%の株式を保有しているということを考えると、TOPIXの時価総額は約600兆円ですから、その30%は約180兆円となり、9.5兆円の売り越しということは、外国人投資家は保有している日本株のうち5.2%程度を売却したということになります。

 過去を見てみると、ここまで外国人投資家による日本株の売りが続いたことは、実はリーマンショック時にすらありませんでした。まして、2015年の日本企業の業績予想は世界のほかの市場に比べても堅調を維持していたのに、です。

「(一部の)外国人投資家が世界景気に対して(過度に)弱気になり、景気敏感と見られている日本株を大きく売りに来た。その流れに投資家全体が巻き込まれている」という図が見て取れます。

 繰り返しになりますが、株式市場では「実際に売買する人」の一部が、残りの株主である「利害関係者」の利害を決めてしまうわけです。よって、一旦悪材料が出ると、残りの「利害関係者」がどう思うのか?ということが次の問題になります。

 もし、いち早く売り抜けたほうがよいという連想ゲームが起これば、株価は実態の企業価値から大きく離れたところまで下落します(逆もしかりです)。