サラリーマン労働者はもっと勉強してほしい

お二人が話された「喧嘩ができる労使関係」は、働く側も意識が高くないと難しいでしょうね。

設楽:それが重要なのです。

鈴木:会社や職場のこと、上司や仕事のことなどをチェックする。チェックすれば、当然自分も突っ込まれる。喧嘩ができる、とは自分勝手に生きていくことではない。むしろ、きちんとしなきゃいけない。

設楽:サラリーマン労働者はもっと勉強してほしい。社会環境をうんと勉強してください。社会環境を学び、争うことも含めてトレーニングをして、自分自身を高めてほしい。高める意識がないと駄目なんですよ、人間は…。

鈴木:異端になることを恐れるべきでない。経営側も、企業が発展していくために異質なものを取り込む許容量を持つべきです。今は、そういう意識にならないね。排除する意識のほうが強い。

 実は、異端を受け入れていかざるを得ない状況を作ったのは、経営側であり、財界なのです。安定雇用は崩壊し、多くの派遣社員や契約社員、外国人などを雇っている。アルバイトもパートも、増えていますね。おのずと、従来までの正社員とは違った考えや事情の人が現れるはずなのです。

 多様になれば、異端や異質が現れ、そこに衝突や対立が生まれる。ところが、「多様」を謳いながら、上司や会社とぶつかる人を認めない。排除あるのみ、です。経営側や財界こそが矛盾しています。

設楽:矛盾があまりにも大きい。

鈴木:多様な労働形態にしながら、従来までの同質性を維持しようとすると、矛盾する形のままとなり、コンフリクトが起きるのは当然です。

 純日本的な企業であろうとも、海外に生産拠点を持っていけば、多数の外国人を雇うわけでしょう。逆に、向こうから日本にも来るわけです。

 トラブルが生じることを前提として、会社や社会を組み立てていないのは明らかにおかしい。むしろ、カオスの状態を維持している我々のような組織が、今後は増えるはずなのです。

1回目の記事(3月30日)で、AV監督だった村西とおるさんが、ご自身のツイッターでユニオンへの厳しいつぶやきをしていることを紹介しました。村西さんへのメッセージを。

鈴木:(1回目の記事で紹介した通り)我々の立場や出版社・青林堂事件のことを正しくは理解されていないのではないか、と思います。はるか前だけど、私は村西さんにお世話になったことがありますから、ぜひ、お会いしたい。私からうかがってもいいですから…。

設楽:私も村西さんに会いたい。あの人のこと、好きだよ。

鈴木:あの方とは話し合えば、わかり合えます。

設楽:全部、わかりますよ、お互いに。彼は暴力団に脅されたり、それを撃退したりしていたのだから。我々と同じようなものです。

鈴木:その意味では、なかなかの人ですよ。

設楽:我々と合うと、あの人も「カルト」になっちゃうか…(笑)。

「喧嘩になってもいい、経営者と労働者が互いに意見を言い合える労使関係はハッピー」と語る鈴木氏(左)と設楽氏(右)