今回は、労働組合・東京管理職ユニオン委員長の鈴木剛さんと、アドバイザーの設楽清嗣さんに取材を試みたやりとりを紹介します。

 テーマは、「東京管理職ユニオンこそ、カルトではないのか?」

 2月16日に、鈴木さんを取材した記事「超キモイ会社には、ゲシュタポがいっぱい」を掲載しました。読者からの投稿の中には、鈴木さんや東京管理職ユニオンに批判的なものがありました。ネット上を検索しても、それに近いものがあります。

 そこで今回は、鈴木さんと、1993年に東京管理職ユニオンが結成されたときから書記長を長く務めてきた設楽清嗣さんに話をうかがいました。

 東京管理職ユニオンは、全国に多数あるユニオンのパイオニア的な存在であり、今や労働運動の一翼を担っています。

 なぜ、その一翼にすぎない彼らは批判を受けるのか。なぜ、東京管理職ユニオンは「反日左翼カルト集団」と非難を受けるのか。そこに焦点を絞り、聞いてみました。

労働組合・東京管理職ユニオン委員長の鈴木剛さん(左)と、アドバイザーの設楽清嗣さん(右)
労働組合・東京管理職ユニオン委員長の鈴木剛さん(左)と、アドバイザーの設楽清嗣さん(右)

前回の記事以降も、「反日左翼カルト集団」と批判を受けていますね。

鈴木:あの記事に私が取り上げられた頃、出版社・青林堂での、パワーハラスメント事件(※)の記者会見をしたのです。ネットではもともと、我々に対し、「反日左翼カルト集団」などと誹謗・中傷があります。

 ところが、この一件では我々の組合員であり、パワハラ事件の被害者である男性を擁護する書き込みが多かったのです。事実にもとづいてきちんと抗議をしていると、伝わるものなのだなと思いました。

パワーハラスメント事件(※)

出版社「青林堂」の社員が、労働組合を作ったところ、解雇された。その後、和解して復職。しかし、さらにパワハラを受けたとして、会社に対して2000万円余の損害賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こした。

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