多くの仕事が部長でストップ

 非管理職たちの、多くの仕事が部長のところでストップします。つまり、判断待ちになるのです。

 あるプロジェクトをすることになりました。20数人の中で、その仕事の経験が豊富なのは私だけでしたから、担当することになったのです。私がプロジェクトに入った女性社員に教えようとすると、それにも介入します。

 いわゆる、チーム・ビルディングをしないのです。たとえば、課長との間で話し合いをして、互いに役割を分担する。それぞれの部下の担当する仕事とその権限、責任を決める。部下たちの仕事には、課長を通じて指示や命令をする。せめて、このくらいのことはしないとチームはつくれないでしょう。

 特に理解しがたかったのが、部長が、女性社員が私と仕事するときにも、自分のほうを向くように仕向けたことでした。女性社員が、私に仕事の相談をしようとします。それが、気に入らないようなのです。

 月日が流れ、多少、人間をみる目が肥えてくると、あの上司の心には、もしかするとこんな思いがあったように感じなくもないのです。「自分を脅かす、優秀な部下である課長や生意気な部下の吉田を認めない」「常に、自分中心で組織を動かしていたい」…。

 企業社会を広く見渡すと、ここまでのケースは少ないにしても、上司との関係に苦しむ人は多いと思います。

 そこで今回は、ベテランの人事コンサルタント・森 大哉さんに取材を試みました。コンサルタントとして20数年のキャリアを持ち、数百を超える企業の人事制度や組織改革などに関わってきた方です。現在は、コンサルティング会社・トランストラクチャの代表取締役をしています。

 テーマは、「私はなぜ、あのとき、狂いそうになったのか…」