「自分があたかも法律だ」と言わんばかりの経営者

カルト的な体質の会社は増えているのでしょうか?

鈴木:最近は、世間的に立派と思える会社にも、カルト的な体質が増えています。その1つが、市民感覚が通じない、独特の空間を持ち、そこでしか通用しない論理を持ち出すこと。労働法などを守るよりも、自社の論理を優先させようとする。一例でいえば、大手芸能プロダクション・エイベックスの松浦勝人社長が自らのブログで、労基法のあり方に問題提起をしました。

 労基署から是正勧告を受けた会社の社長が、こういう発言をするとは驚きましたね。まずは、自分が経営する会社が法を守ることが先決ではないの?何を開き直っているの?と言いたい。

 最近は、経営者の中に「こんな法律やルールを守っていたら、会社の経営が成り立たない」といった意味合いのことを発言する人が増えています。

 私には、そんな言動が理解できない。法律をきちんと守っている経営者はたくさんいるのです。その人たちの言い分はなぜか、メディアに出ない。「自分があたかも法律だ」と言わんばかりの経営者が、つまりは、カルト的な経営者が次々と現れ、自説を展開する。

 中には、それを無批判に称えるメディアや会社員などもいます。最近は、増えている印象すらあります。それで、いいの?と問いたい。

 カルト的な経営者に洗脳された人たちは、法律をまるで、自由な経済活動を縛る「規制」としてとらえ、それを破壊することが「時代の先取り」と勘違いしているようにも見えます。労働法などにあまりにも無知であり、カルト経営者に洗脳されているのかもしれませんね。

 こんな人たちが増えているならば、まずい時代になりつつあります。18~19世紀の資本主義の感覚に戻っています。今に至るまでの歴史で培った労使関係などを否定しかねない。これでは、企業社会は成り立たない。

東京管理職ユニオンは、「反日左翼カルト集団」とネット上で批判を受けたりしていますね。

鈴木:私たちは、そのような組織ではありません。憲法でも労働組合法でも認められた組織です。

 しかも、東京管理職ユニオンの組合員は年齢層も高く、企業の管理職が多い。私がそれぞれの組合員の支持政党や政治思想を正確に把握しているわけではありませんが、知る限りでは、自民党支持者も少なからずいます。

 そもそも、そのような政治思想をもとに集まる組織ではないのです。