シュレッダーで “断ち切る”

 やや話が広がりますが、フリーのライターや物書きは、数年以内に多数が消えます。仕事がなく、収入が少ないからです。書くことの収入のみで生きている人は、ごく少数です。では、なぜわたしは、かろうじて生きていくことができているのか。

 理由の1つは、キモイ編集者の名刺をシュレッダーにかけているからだと思います。この“儀式”により、「マトモな人」とだけ仕事をするのだという意識を、繰り返し自分に刷り込んでいるのです。その反復が、本当に大切なのです。

 自分に何をインプットしているのか―。それがどれほどに多いか。質が高いか。フリーの身である私にとっては、これらが勝負です。

 インプットにより自己像を高いものにするためには、日ごろから、マトモな編集者で、一定のレベルを超えている人とだけ、仕事をするようにしていくことです。必ず、「仕事でつきあっていい人といけない人」の間に線を設けるのです。その線がないと、あらゆる編集者に「お客様は神様」と言わんばかりにすり寄っていかざるを得なくなります。

 「つきあっていい人といけない人」の間に線を設けると、先の男性のような編集者に違和感を覚えます。「マトモではなく、一定のレベル以下」と判断するようになります。すると、自分の潜在意識が「こんな奴の名刺はシュレッダーにかけろ!縁を切れ!」と指示をしてくるのです。ためらうことなく、シュレッダーで名刺を処分するようになります。

 縁が切れることは、一時期、その仕事の収入を失うことであり、痛手となりますが、心配はいりません。インプットの蓄積があれば、数か月以内にマトモな編集者で、一定のレベルを超えている人が不思議と目の前に現れます。しかも、はるかに上のレベルであり、収入も増えていくのです。気がおかしくなりそうな人と我慢して仕事をしていると、不幸しか訪れません。

 私は自分の力を顧みず、ハイレベルなものをインプットすることが多いかもしれません。結果として、自己像を実際以上に高いものにしているはずです。

 ただ、それは、実力以上でかまわないのです。自己像を強力にするために、それを裏付けることをインプットしまくるのです。そのために、自己像を高めてくれる人とコミュニティーを作るべきなのです。

 すると、「こんな人と組まない」と思えるボーダーラインなどがますます明確になります。これが短期的には損をするものの、中長期的には大きな得をする「生き残り戦略」です。