医師の給与は平均いくら? 勤務医と開業医でこれだけ違う

 そして医師の給料を考える場合、必ず考えねばならないことがあります。それは、医師には開業医と勤務医の2種類がいるということ。年収も大きく違います。まず勤務医の平均年収は、日経メディカルのオンライン調査によると1477万円。これは勤務医840人(平均年齢45.6歳)に聞いたデータです。一方で開業医の年収はどれくらいでしょうか。いろんなデータがあるのですが、厚生労働省が調査した結果では、年収2530万円(法人、平成21年6月の厚生労働省の「医療実態経済報告」)でした。ずいぶんと開業医の先生の給料は高いのですねえ。うーん、やっぱり開業するか……とはならないのは、こんな理由です。

 同調査をした厚生労働省は、わざわざ別にページを設けて「病院勤務医の数値が『給与』である一方、開業医(個人)の数値は『給与ではなく収支差額』である」としています。そして収支差額には、診療所を建てる時に借りた借金や老後への蓄えが含まれているため、勤務医の年収と同列に比較してはいけませんよ、と述べています。

 まあ確かにそうですよね。開業は個人事業主のようなものですから、借金をしてハコを建て、長椅子や血圧計、レントゲンとか検査機器を購入します。ちなみに借金の額は開業する科や立地によって違い、3000万円~1億円を超えることも珍しくないそうです。こんなリスクを取るのですから、ただの雇われ勤務医と同じ額では不公平ですね。

当たり外れのある開業医

 ただ、開業医の場合は当たり外れがあります。当たり、つまり流行っている医師の年収は軽く1億を超えるんだとか。そういうドクターに私は会ったことがありますが、確かに年収は跳ね上がったが、その代わり1日170人くらいの患者さんを診察するからかなりヘトヘトになる、と言っていました。閑古鳥が鳴くクリニック(そういうところでアルバイトをしたことがあります)では、「1日30人患者さんが受診すればいいほう」と医師が言っていました。そりゃ年収が何倍も変わるのは当たり前ですね。

 医師向けウェブサイト「エムスリー」の調査では、「開業医の2割以上が「年収3000万円を超えている」と回答した(22.5%)」とありました。勝ち負けがはっきりするのが開業医なのですね。

 一方勤務医はほとんど収入の格差がありません。おおむね医歴(いれき、医師として働いた年数)に比例して年功序列で上がっていきます。

医師給与は西高東低で、西日本で高い

 そして我々医師の業界では、「医者の給料は西高東低」と言われます。つまり西日本の医師は給与が高く、東日本では比較的低いそうなのです。あまり確かな統計があるわけではありませんが、私も実感しますし医師派遣会社の方からもそう聞いたことがあります。

 その理由は、昔から西日本の方が大きな病院が数多くあり、今でも医療費は西日本の方が高いため、結果として医師一人当たりの年収が高くなるからではないかと私は考えています。

 さらに言えば、東京の医師の給与はかなり安くなっています。これは、ひとえに給与の安い若い医師が多く、そして高給を提示しなくても医師が集まるからです。名前は出しませんが、がんの治療で国内有数の病院は一説によると最も医師の給料が安い病院と言われています。

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