診療報酬が上がっても医師の給与が上がるわけではない
ところが、診療報酬がアップしても医者の給料はまず増えません。その理由を、まずデータで見てみましょう。
厚生労働省の統計を元に「年収ラボ」が作成したこちらをご覧いただけば、医師の平均年収が過去10年間、増えていないことは分かりますね。そして診療報酬の本体部分と呼ばれるところは下のグラフの青線のところで、ここ5回(2年に一度の改定なので10年間)増加を続けています。

この2つのグラフを見ただけで「診療報酬が増えても医者の給料は増えない」と結論づけることはできません。が、過去10年の趨勢はご理解いただけると思います。
私の聞き及んだ中で、「診療報酬改定、今年はプラス改定だったから医者の給料を増やしましょう」なんて話はほとんど聞いたことがありません。診療報酬が増えて病院の収入が増えても、それがそのまま医師の給料に反映されるわけではなく、当然ですがそのお金は設備投資などにも回されることになります。病院というところは、絶えず最新の医療機器を購入し続けなければなりませんし、リスク管理のコストもどんどん上がっていきます。そして何よりも「新しい建物」「きれいな部屋」が患者さんを集めるためにとても重要な因子になってきます。これは意外かもしれませんが、都市部の一部の人達は専門医の数や得意な治療法を調べるなどして病院を選ぶ一方で、病院のきれいさや立派さで病院を選ぶ人が多いのも事実です。
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