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「無給医は必要悪」と医者自身が言う理由

 m3.comが行った無給医の調査では、実に198人の医師が「無給医経験あり」と答え、さらに「計34大学」もの名前が勤務先の大学病院として挙がったそうです。日本には約80しか大学病院がありませんから、およそ半数ということになります。恐ろしい。

 そしてこの調査では、「無給医は必要悪である」という、医師自身からの意見が複数寄せられていたことも特記すべき点です。医局の維持のためには、無給で院生を働かせなければ仕方ない、ということでしょうか。 大学病院経営は厳しさを増しているそうですし、教育や高度な治療を担っている大学医局をただ非難すればいいというものではありません。しかし、体制を維持せねばならないことと、医師を無給で働かせていいということは全く別の問題です。

 冒頭に述べたように、医師以外の医療職は働き方改革で残業が減るでしょう。そのしわ寄せは医師に来ます。経営者であれば、文句を言わず安い人件費で働いている医師に仕事を回すのは当然ですから。

文科省、調査へ

 この報道を受けて、ありがたいことに文部科学省が調査することになりました。柴山昌彦大臣は、「5年前の調査で、すべての大学院生の雇用契約が結ばれていることを確認しているが、改めて実態把握を行うことを検討したい」( NHK NEWS WEB の2018年11月22日付記事)と発言しました。存在は認めていないものの、まずは実態調査をするということ ですね。

 ただ、きちんと実態調査ができるかどうかは非常に難しいと思います。だって院生は大学を経由して書類などを受け取るでしょうから、正直に書けるかどうか、改ざんがないかどうか。骨抜きにならないことを祈りつつ、今回はお開きとさせていただきたいと思います。医師だけのサイトなどでは「ドレ医」(奴隷)と揶揄されていますが、このような人がいなくなるといいですね。

 なお、無給医は大学院生以外でも存在します。詳細は私が書いたこの記事をご参照ください。