こんにちは。総合南東北病院の中山祐次郎です。涼しい8月が過ぎ、長月になりました。こちら福島県郡山市では早くも鈴虫が鳴き、気温がどんどん下がってきています。街を歩いても、半袖の人は誰もいないといった具合です。

 少し近況を。私は先日、京都へ行ってきました。目的は京都大学大学院の受験です。来年度には京都大学で大学院生となり、「公衆衛生学」というものを学ぼうと思っています。久しぶりに筆記試験を受けたのですが、かなりのアナログで驚きました。試験では、問題用紙とともに大きな原稿用紙のような解答用紙が配られ、そこになんと鉛筆で手書きで回答するのです。

 こちらは入れていただきたい受験生の立場ですから偉そうなことは言えませんが、せめてワードプロセッサ(懐かしい響きですね)くらい使わせていただきたい。ま、おかげで、結構な数の漢字が書けなくなっていることに気づいたので良かったのかも。

 筆記試験が終わり、大学近くの定食屋さんへ。一緒に受験した医師の頼んだ「鱧(はも)」の量が多くて、思わず写真を撮らせていただきました。

大腸がんの7割は腹腔鏡で

 さて、今回は私の専門のど真ん中、手術についてのお話です。読者の皆様の中には、手術を受けたことのある方も多いでしょう。でも手術って、その真っ最中は自分は麻酔で眠っていますし、家族が手術室に入ることはまずありませんから、完全なブラックボックス状態になっています。そのため手術についての情報が世間にほとんどないようですので、ここで改めて取り上げたいと思います。

 私はほぼ毎日、手術室へ行き、執刀したり助手をしたりしています。最近は「指導的助手」と言って、私の責任のもとで若手外科医に執刀をさせ、指導するという立場の手術も増えてきました。毎日毎日、実に多種多様な手術があり、私は大腸がん、虫垂炎(いわゆる「盲腸」ですね)、鼠径ヘルニア(昔は「脱腸」と言ってました)、腸閉塞などの手術を行(おこな)っています。

 この手術、実はこの20年間で大きな改革(イノベーション)がありました。「腹腔鏡(ふくくうきょう)手術」というものです。内視鏡手術と言う人もいます。

 これは、ごく簡単に言ってしまえば「小さな創(きず)だけで手術をする」というもので、日本でかなり普及してきました。大腸がん手術で言えば、おそらく50%くらいは腹腔鏡で行われているでしょう。やや先進的な病院198カ所からとったアンケート調査では、70%が腹腔鏡で手術を行っています。