「暑さ指数」では湿度も重要
では、どんな時に熱中症にかかるのでしょうか。平たく言えば、「からだから外へ熱を逃がす」量と「からだに入ってくる熱」の量のバランスが悪くなった時にかかるのです。しかし、この熱の逃がし方は気温だけではなく、湿度にもよることに注意が必要です。湿度が高い時には汗が蒸発しづらく、そのせいで「からだから外へ熱を逃がす」量が減ってしまうからです。
ここであまり聞きなれない「暑さ指数」というものを紹介しましょう。日本では諸外国と比べ湿度が高いため、ただの気温という指標よりもこちらのほうがより鋭敏に熱中症になる危険性を反映しています。
暑さ指数は正式にはWet-Bulb Globe Temperature(湿球黒球温度)と言われるもので、こんな式で計算されます。
WBGT(℃)=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
湿球とか黒球とかは下の写真のように観測されます。これは簡単に言えば、湿度が非常に暑さ指数に大きく影響するということです。
基本的にこの暑さ指数はこのページでチェックすることができます。他にも、Yahoo!防災情報というアプリでは暑さ指数に応じて、登録しておいたご自宅や職場エリアで「熱中症の危険あり」などとお知らせしてくれますので、スマートフォンをお使いの方はアプリをダウンロードしておくと便利です。こんな具合です。

熱中症の予防法は?
こんな熱中症、なってしまうと大事です。ですから予防がもっとも重要なのは論を待ちません。予防法としては、
- のどが乾かなくてもスポーツドリンクを飲む
- エアコンを使い涼しくする
- 屋外では涼しい服装をし、日差し対策もする
をオススメします。これはどんな年齢の方にも言えます。1.のスポーツドリンクは、可能なら経口補水液にしましょう。
先ほど参照した「熱中症診療ガイドライン2015」でも、「熱中症の予防・治療には何を飲めばよいか」という問いに対して、「塩分と水分の両者を適切に含んだもの(0.1~0.2% の食塩水)が推奨される(1C)。現実的には市販の経口補水液が望ましい」としています。
経口補水液は、アクエリアスの経口補水液や「OS-1(オーエスワン)」というものが有名ですね。あまりあちこちで売っていないので、日常的に飲むというのは現実的ではないかもしれません。ナトリウム(塩分とほぼ同義と考えてよいでしょう)の濃度が、スポーツドリンクでは21mEq/L、経口補水液では50mEq/Lと倍以上なのがポイントです。
ちなみに私は、夏にはスポーツドリンクをよく飲み、塩辛いものをよく食べるようにしています。また、先日京都の祇園祭に行った時は、9時から12時まで外にいることが分かっていたので、前日に薬局で下の写真の物を3000円分くらい買って熱中症対策をしたんですよ。

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