熱中症の実態は……

 まずはデータで熱中症を見てみましょう。死亡者数は、年によってかなりばらつきがあります。下のグラフをご覧ください。

熱中症による死亡者数の推移
厚生労働省「熱中症による死亡数 人口動態統計(確定数)より」のデータを用いて筆者が作成

 これによると、だいたい毎年400~1000人が死亡しています。飛び抜けて多かった平成22(2010)年は、1800人近くの熱中症死亡がありました。この年は、気象庁ホームページで調べると平均気温が統計を開始した 1898年以降の113年間で第1位の高い記録だったそうです。気温だけが熱中症死亡と関係するわけではありませんが、原因の一つになったことでしょう。

 そして、亡くなった人には高齢者が多い点もお伝えしておきます。平成28(2016)年の熱中症死亡者のなかで、65歳以上の占める割合は79.2%、平成27(2015)年は80.7%でした。

 次に、熱中症で救急車に乗る人がどれくらいいるかを示したのが次のグラフです。これは今年の4月30日から1週間ごとにグラフにしたものですが、みると6月25日から一気に増えたのが分かりますね。これから暑くなるにつれ、さらに増えていくことが予想されます。

平成30年の熱中症による救急搬送状況(週別推移)
※速報値(緑)、(青)の救急搬送人員数は、後日修正されることもありますのでご了承ください。
総務省の統計データより引用

なぜ熱中症になるのか?

 実態をお話ししたところで、次は医学的なお話をしましょう。

 そもそも熱中症とは何でしょうか。医者のコンセンサスであり治療指針である「熱中症診療ガイドライン2015」には、次のように定義されています。

 熱中症とは「暑熱環境における身体適応の障害によって起こる状態の総称」である。すなわち 「暑熱による諸症状を呈するもの」のうちで、他の原因疾患を除外したものを熱中症と診断する。

 なんのこっちゃよく分かりませんが、簡単に言えば「暑さのせいで身体に起きた悪いことで、他の病気が原因のとき以外は全部熱中症」ということです。