命を削るつらいバイトも

 では、どんなアルバイトをしているのでしょうか。医者のアルバイトは大きく分けて、3つあります。

  1. ガッツリ救急系
  2. 寝当直
  3. 専門生かし系

 「①ガッツリ救急系」は文字どおり、ガッツリと多忙な救急外来の病院で働くこと。給与は高いことが多く、1時間1万円ほどになることもあります。その代わり、当然、1晩で一睡もできず、翌日は廃人になるほど疲れます。救急の診療は訴訟リスクもありますので、それも給与に含まれていると考えた方が良いでしょう。

 続いての「②寝当直」、こちらも文字どおり「寝」ながら「当直」をするものです。「夜の間、とくに仕事はないけれど、もし何かあったら対応してね」という勤務です。ほとんどの時間、眠っていられるので、給料は「ガッツリ救急系」と比べると割安です。だいたい1晩3~4万円が相場でしょう。昼間に、ぼんやり待機しているだけという勤務スタイルもあります。

 最後が「③専門生かし系」です。こちらは胃カメラができたり、マンモグラフィーの画像が読めたり専門外来ができたり、といった特殊技能を生かしたアルバイトです。給与は高額かと思いきや、「ガッツリ救急系」と同じかやや安いくらいです。なおアルバイトを紹介する専門の会社はいくつもあります。それらは、医者を派遣し、給料の1~2割を病院から取っているのです。

医者格差――激務に見合う収入か

 ここからは、データには表れにくい医者の収入のばらつきを見てみましょう。

 押さえるべき点は、「勤務医」と「開業医」であると先ほど述べました。

 この2者は大きく違っていて、簡単に言えば「勤務医はサラリーマン、開業医は起業家」なのです。勤務医は会社員と同じく病院に雇われて働き、給与をもらっています。破産はしないが大当たりもないという表現がぴったりきます。一方、開業医は銀行からお金を借り、医療法人として起業しています。倒産のリスクもありますし、事業が大当たりして拡大したり、チェーン経営をしたりすることもあります。

 勤務医の給料は、ほぼ100%年功序列です。私は医者になった頃、この年功序列に強い違和感を覚えました。しかし、医者という仕事は経験がかなりモノを言う世界。外科医の世界はさらにその傾向が強いので、「医師歴が長い=医者のスキルが高い」がかなりの確率で当てはまります。ある医局では、学年が1年上がるごとに年収が100万円ずつ増えていくという、はっきりした年功序列を敷いているところもあります。

 この年功序列を打破し、突き抜けた給与を手にするには、2つしか方法はありません。