アルバイトをしない医者はいない

 あまり知られていませんが、大学病院というところは、給料が一般病院と比べて半額以下のところが多いのです。30歳前後の大学病院の勤務医10人ほどに聞きましたが、給料が15万円~20万円でした。働き方にもよりますが、一般病院だとだいたいその歳で50~80万円ほどはもらいます。

 知人の中には、月20万円の収入で働いている医者もいます。「月20万円なら十分ではないか」とお思いの方もおられるでしょうが、医者は仕事関連の出費が少なくありません。1回で10万円かかる学会への参加や、仕事用のパソコン購入も、職場から支給されることは少なく、自腹を切るのです。知人は東京に住んでいますから、ワンルーム10万円の家賃を引いたら残りの生活費は数万円。なかなか厳しいものがあります。

 では、足りない差額をどうしているのかというと、「アルバイト」で埋めているのです。

 え? アルバイト? と思われるでしょうか。

 医者はアルバイトをします。私は、アルバイトをしたことがない医者には会ったことがありません。それほど、ほぼ全員の医者が、やったことがあると思います。

バイト代だけでレクサスを買う

 多いのは、大学病院の若手医師が、中小病院の当直のバイトをするものです。当直とは、泊まりの勤務ですが、日当直といって土曜から日曜の1泊2日、あるいは金曜夜から月曜早朝までの2泊3日をぶっ通しで勤務するというバイトもあります。病院は24時間、医者が常駐しなければならないと決まっているのですが、常勤医師だけにやらせていたらキツくて回らないため、外注をします。しかも、医者の需給バランスが悪いため、大きい病院にたくさんの医者がいる一方で、医者が足りない病院は少なくありません。

 せっせとアルバイトに精を出した結果、バイト代だけでレクサスが買えたという医者もいます。その代わり、自宅で寝るのは月に2~3回だけで、あとはいろんな病院で寝泊まりしていたそうですが……。なお、一般病院では、業務に差し支えるからという理由で、アルバイトを禁止しているところもあります。