こんにちは、総合南東北病院の中山祐次郎です。

 4月に入り、私は京都にやって参りました。福島県郡山市の総合南東北病院に籍を残しながら、京都大学大学院で学ぶために引っ越したのです。郡山から60万円以上もかけて引っ越した先は、京都市左京区の出町柳というところ。京都大学医学部に程近い、静かな街でした。ここで私はしばらくの間、社会人大学院生として公衆衛生学を学びます。社会人になって11年、ずっと現場でガリガリ働いていたので、久しぶりにまとまって勉強ができるのは楽しみであります。

 さて先日、「医師国家試験」の合格発表がありました。新聞やニュースではあまり報道されませんが、医者の間では毎年話題になります。

 あまり知られていないのですが、医師国家試験は毎年、合格率が90%前後なのです。他の資格試験と比べると、ずいぶん高い合格率ですよね。例えば司法試験(法科大学院からの合格率22.5%、2017年)や公認会計士試験(11.2%、同年)と比べてもかなり高い数字です。

 なぜ、医者になるための医師国家試験で、これほど合格率が高いのでしょうか。かつて同じ試験を受けた者として、また医師として論じたいと思います。さらに今年受験した医学生さんにもインタビューし、最新の情報も盛り込みました。子女が医者に興味がある、あるいは医者にしたいという親御さんは必見です。

東大理Ⅲの合格率が全国平均を下回るわけ

 2018年3月19日に厚生労働省が医師国家試験の合格者数を発表しました。今年は1万10人が受験し、9024人が合格、90.1%の合格率でした。受験や進路・進学ニュースサイトの「ReseMom.(リセマム)」によると、ランキングで総出願者の合格率がもっとも高いのは「自治医科大学」で99.2%。ついで「横浜市立大学医学部」97.7%、「兵庫医科大学」97.5%という結果でした。

 皆さんもよくご存じ、国内でもっとも受験難易度が高い東京大学理科Ⅲ類から進学した医学部のみなさんはどうだったか? こちらは120人が受けて、108人(90.0%)が合格しています。なんと、全国平均を下回っているのです。最高峰の頭脳を持った学生さんでも、10人にひとりは落ちるというのは、読者の皆さんにとっても意外なのではないでしょうか。

 東大医学部生が国家試験に落ちる理由は、3つあります。これは私の分析に加え、東大医学部卒の医師に直接インタビューした結果を踏まえています。