「金持ち長生き、貧乏早死に」になるおそれ

 しかしここで気になるのが、これが進むと医者は金持ちばかりを向くようになるのではないかという点です。お金のある患者さんに対してだけ医者は丁寧になり、その患者さんの取り合いになるでしょう。こうしてお金のない人はそっぽを向かれることになります。突き詰めると、「金持ち長生き、貧乏早死に」という、まるで米国のような状況になってしまいかねません。言い換えれば、経済格差がどれほど寿命の格差に反映されることを許容するか、ということでしょう。日本では基本的になるべく許容しない方針で医療・福祉政策をしていると思います。

この問題提起に対する反応は……

 少し話が大きくなりました。私はこの問題を、どこかのジャーナリストや週刊誌がスッパ抜くよりも先に問題提起したいと考えていました。本件は大人なら誰でも知っているが誰も声高には言わない、暗黙の了解です。しかし医者としては、どうせいつかは「バレる」のですから、だったら先に自分たちでなんとかしちゃいませんか? そう思っております。

 しかし、この話をYahoo!ニュースに書き、かなりの人数の方に読んでいただきましたが、何かが起きたでしょうか。答えは、「無風」でした。誰も、何も言ってきません。この程度では何も変わらないのかもしれません。もしかすると同業者の医師は「やれやれなんでアイツ、いきなりそんな面倒なことを」とお思いかもしれません。

 この「袖の下」の解決法として、私は「医師へお金を渡すのではなく、渡したい人は病院へ寄付する」という提言をしました。病院側はそのお金を医師への給与としてもいいし、半分は病院の収入としてもいい。なんならふるさと納税のように、使途を決めて寄付してもいいですよね(「受付の椅子を新しくして」「空調を良くして」など)。それにはいくつかの法改正などのハードルがありそうですが、十分検討する意義はあると思います。

 読者の皆様はいかがお考えでしょうか。コメント欄にご意見いただければ幸いに存じます。