こんにちは、福島県郡山市にあります総合南東北病院外科医長の中山祐次郎です。
日経ビジネスオンライン読者の皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。昨年2月から始まったこの連載「一介の外科医、日々是絶筆」は、2月で一周年を迎えます。どうにかクビにならずに済んでいるのは、皆様がお読みくださっているおかげでございます。ありがとうございます。
さて近況でございます。年末年始を私は福島で過ごしました。結婚して初めての年末年始でして、両家に顔を出さねばなあと思っておりましたところ、どちらにも行かないことに。私、実家は神奈川県なのですが、両親が幼子のいる妹一家の渡米に付き合い米国へ行ったため、実家に帰る理由がなくなったのです。妻の家族は郡山の私の家に遊びに来てくれたため、お義母さんの美味しい雑煮をいただくことができました。
年末年始はオンコールという自宅待機の当番で、12月30日、31日、1月1日とずっと「いつ緊急手術が来るか」と神経を張っておりました。やっぱり3件ほどは緊急手術になり、こんな具合で手術室へ。病気に休日はありませんからね。

年始しばらくして落ち着いたところで、郡山で一番大きな神社に初詣に参りました。これまで毎年鎌倉の八幡様にお参りしていたので、雪の中の初詣なんて初めてで興奮しました。出店のラインナップも、「芋煮」や「田舎汁」など地元色があふれていましたね。


ドクターにお金、渡したことありますか?
では本題です。今回は病院でたまに耳にする、患者さんからの「袖の下(お金)」についてお話ししたいと思います。このお金というのは、保険診療で支払う費用とは別に、医師に直接手渡しする現金や金券のことです。

本記事に先立って私はYahoo!ニュースにこんな記事を書きました(日経ビジネスオンライン編集部の皆様、すみません)。
この中で私は、4割の医者が「基本的に受け取る」、もう4割が「基本的に受け取らないが断れないときもある」であることを明かしました。つまり8割の医者は受け取った経験があるということになります。さらには弁護士にインタビューし、賄賂罪や脱税といった法的問題がある点について指摘しました。
日経ビジネスオンライン読者の皆様の世代ですと、ご自身が病気になって入院し、点滴や手術などを受けたことのある方が多いかと思います。あるいは親御さんのご病気で病院に付き添ったことがある方も多いでしょう。
皆様は、治療の前後で医者にお金を渡したことがあるでしょうか?
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