もし、日銀がテーパリングを表明すれば、長期金利もいく分上昇する可能性があります。12月15日時点の新発10年国債利回りは0.045%。ほぼゼロに張り付いています。これが少しでも上がり始めれば、円高に振れる可能性があります。

国際収支
(IMF方式、億円、▲は赤字)
 経常収支貿易・サービス収支直接投資
2013年度23,929▲ 144,785148,269
2014年度86,954▲ 94,116133,837
2015年度178,618▲ 10,231159,535
2016年度201,99042,596166,916
2016年4月18,1612,7128,492
5月17,5761,1275,383
6月9,7656,0444,652
7月19,3963,9724,767
8月19,7041,675▲ 1,211
9月18,6435,74345,202
10月15,4662,39015,546
11月14,2674,0356,326
12月11,1435,20121,066
2017年1月952▲ 10,66011,039
2月28,94010,79421,985
3月29,80510,87823,755
4月19,5572,5974,633
5月16,776▲ 54616,474
6月9,2884,60814,852
7月23,2003,29311,811
8月23,8043,3895,927
9月22,7127,76421,495
10月21,7643,9677,911
出所:財務省

 もう一つ、経常黒字が増えると、実需の円買いが増えるために通貨高になりやすいという傾向があります。国際収支を見ますと、17年も20兆円ペースで経常黒字を稼いでいます。貿易収支も、黒字になっていますね。以上の点から、円高説も一理あると思います。

 ただし、私は円安説を支持しています。なぜならば、日本よりも米国の金利の上昇スピードの方が速いと思うからです。日米の金利差が開けば、為替相場は円安ドル高方向に動きやすくなります。

 12月13日、米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で6カ月ぶりに0.25%の利上げを決めました。短期金利の指標であるフェデラルファンド金利の誘導目標は、年1.00~1.25%から1.25~1.50%に引き上げられました。

 FRBは、現在のところ18年には3度の利上げを予定していますから、これが2.00%程度まで上昇する可能性が高いと考えられます。そうなりますと、仮に日銀がテーパリングを発表しても、日米金利差が大きくなりますから、円安に振れやすくなるのではないかと思うのです。

 日銀がテーパリングを発表するかどうかは、日本のインフレ率に懸かっています。

消費者物価指数
(生鮮除く総合、前年比)
2013年度0.8
2014年度2.8
2015年度0.0
2016年度▲ 0.3
2016年4月▲ 0.4
5月▲ 0.4
6月▲ 0.4
7月▲ 0.5
8月▲ 0.5
9月▲ 0.5
10月▲ 0.4
11月▲ 0.4
12月▲ 0.2
2017年1月0.1
2月0.2
3月0.2
4月0.3
5月0.4
6月0.4
7月0.5
8月0.7
9月0.7
10月0.8
出所:総務省

 消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)を見ますと、10月は0.8%まで上昇しています。本コラム「財政規律はどうなる? 来春までに日銀は出口を」で詳しく述べましたが、私は、10月あたりの水準がピークなのではないかと予想しています。その後は、早ければ2017年末にも物価上昇スピードが鈍る可能性が高い。