そういう意味で、欧米のユーロ統一やサブプライムローン登場という特殊な状況下での景気拡大とそれに伴う中国の急成長というバックグラウンドがあったおかげで、日本経済も戦後最長の景気拡大をしたわけです。私は、同様の状況が再現する可能性はとても低いと考え、今回の景気拡大は、それほど長くは続かないのではないかと当初は思っていたわけです。

 一方、2007年8月のパリバ・ショック、2008年9月のリーマン・ショックを経て、世界は未曾有の大不況に陥り、リーマン・ショックの震源地である米国は、2008年から2009年にかけて800万人以上の雇用が失われました。

 これだけ景気が落ち込めば、その後しばらくは拡大を続けるのは自然な流れとも言えなくはありません。

 特に米国は、2009年7月から始まった景気拡大局面が、今年7月で9年目に突入しました。戦後最長の10年まであと一歩という状況です。

 欧州も4年連続で景気拡大が続いています。中国経済は以前よりは成長率を落としていますが、予測よりも落ち込むスピードは遅い。今年の成長目標の6.5%は楽々クリアしそうです。そして日本は、冒頭でも触れたように景気拡大が58カ月(4年10カ月)続いています。内閣府が15日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)速報値も、実質(年率換算)で1.4%成長でした。

 問題は、この先の動向です。日本の景気拡大はいつまで続くのでしょうか。

今は、景気が天井を打つのかどうかの瀬戸際にいる

 まずは、法人企業統計を見てください。「全産業 営業利益」の伸び率は、2016年1~3月期から7~9月期までマイナスでしたが、10~12月期にプラスに転じ、以降はプラスを続けています。

(出所:財務省、内閣府)
(出所:財務省、内閣府)
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 ただ、「全産業 設備投資」は、16年10~12月期からプラスを維持しているものの、4~6月期は前年同期比0.6%まで落ち込んでいます。

 これとあわせて「機械受注」を見てください。この指標は、企業が設備投資のための機械を発注する段階の統計ですので、実際の設備投資の先行きを占う指標とされています。

 最近の機械受注は増減の振れ幅が大きく、右肩上がりで伸びているとは言えません。どちらかというと減少傾向です。その点から考えると、景気はそろそろピークに差し掛かっているのではないかという見方もできます。

 もう一つ、内閣府が毎月調査している「景気ウォッチャー指数(街角景気)」を見ますと、好不調の境目となる50を挟んで行ったり来たりする微妙な動きが続いています。

 以上の指標からは、景気は悪くはありませんが、それほど順調とは言い切れないところがあります。

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