安倍晋三首相は、10月15日の臨時閣議で2019年10月に予定している消費税率10%への引き上げを明言しました。しかし、私は再度延期される可能性もあるのではないかと考えています。

 内閣府は、11月7日に9月の景気動向指数を発表しました。景気の現状を示す「一致指数」は114.6と2カ月ぶりに低下しましたが、それと同時に、景気の基調判断を「改善」から「足踏みを示している」に24カ月ぶりに下方修正しました。

 日本国内の景気は、じわじわと後退の気配を見せています。さらに最近の株価の乱高下は、消費者心理を冷やす要因にもなりかねません。また、米中間選挙の結果により、議会のねじれでトランプ政権の内政運営が難しくなる中、対中圧力をさらに強化することが懸念されます。それが日本経済にも悪影響を与えると私は考えています。

 このところ私は講演会などで、お客さまである経営者の皆さんに向けて「景気後退の衝撃に備えよ」という話をしています。景気循環という意味に加え、米中貿易戦争や消費増税という懸念材料も大きなインパクトを及ぼす可能性が高いからです。

 今回は、日本国内の景気の現状を分析した上で、今後の動向について考えたいと思います。

(写真:PIXTA)

足元の景気は陰りつつある

 まずは国内景気の現状から見ていきましょう。GDPの5割強を支える個人消費はどうでしょうか。総務省が発表する家計調査で「消費支出2人以上世帯」を見ますと、2018年に入ってから前年比でマイナスが目立っており、弱いと言わざるを得ません。結果が発表されている9カ月分のうち、6カ月で前年を下回っています。

 もう一つ、「街角景気(景気ウォッチャー調査)」の数字も弱含んでいます。これは、全国の小売店の販売員やタクシー運転手、ホテルのフロントなど、景気の動向を直接肌で感じている職種に聞き取り調査をしているものです。50が基準で、それより上ならば景気がいい、下ならば悪いと感じている人が多いことを示しています。

 最近の推移を見ますと、2018年に入ってから、ずっと50を下回る水準が続いています。7月は46.6、8月は48.7、9月は48.6となっています。

 この夏は、豪雨や台風、北海道の地震など、経済的にインパクトが大きい災害が多く起こりました。11月14日に発表される7~9月期のGDPについて、民間調査会社の予測は、マイナスとの見方が大勢です。