危機時の設備投資が今になって実る

 最悪期であっても維持していた積極投資が、その後の業績回復に大きく貢献したと言えます。言い換えれば、現在の急回復の伏線は、最悪期にあったと考えられるのです。

 もちろんマクドナルドの戦略は、全てが成功していたとは言えません。ファストフードの競合がひしめき合う中、自社の商品やサービスの優位性をどこまで高められるのか。この点に苦慮しながらも、様々な企画やメニューを打ち出してきました。

 特にマクドナルドが提供しているような比較的安価な外食産業は、経済環境に応じて戦略をこまめに変えないといけない場合も多く、難しい傾向があります。競争が激しい安い価格帯の商品ですと、少し戦略を誤るとお客さまはマクドナルドの優位性を感じにくくなります。同じような立地に同じ価格帯のお店があれば、お客さまはその日の気分でお店を選ぶようになりますから、ちょっとした差で売り上げが大きく変わってしまうのです。

 そこで、マクドナルドはどのような優位性をつくりだしたのか。メニュー開発に試行錯誤を重ね、話題作りに注力し、ようやくヒット商品が出てきました。16年のヒットゲーム「ポケモンGO」とのコラボ商品を皮切りに、「マックカフェ」「夜マック」あるいは「マクドナルド総選挙」などの企画も話題を呼びました。

 店舗のリニューアルとあわせて、こういった早いサイクルの企画やメニュー展開も、積極投資の賜物だったのではないかと思います。

 冒頭でも触れたように、18年12月期中間決算は好調な結果となりました。にもかかわらず、18年12月期通期の業績予想は、上方修正せずに据え置いています。その理由は、「下期にかけて採算性を高めるため、既存店の改装や人的投資を積極化する」と説明しています。今後の戦略、業績の行方に注目です。