2014年に期限切れの鶏肉問題や異物混入の発覚などが相次ぎ、大幅に業績を落とした日本マクドナルドホールディングスが、2016年以降、急速な回復を見せています。

 8月9日に発表された2018年12月期中間決算は、売上高が前年同期比9.7%増の1330億円、営業利益は同41.6%増の133億円と、好調な数字が並びました。売上高営業利益率も10.0%と非常に高い水準を維持。既存店売上高は、前年同月比で見ますと2015年12月から32カ月連続でプラスを続けています。

 一時は深刻な“マクドナルド離れ”が進み、大幅な減収減益が続いていましたが、V字回復を遂げたと言えるでしょう。その勝因は、店舗の改装や新メニューなどが奏功したと言われていますが、もう一つの大きな要素がありました。

 最悪期である2014年、2015年頃にその伏線があったと私は考えています。その頃の財務諸表を分析しながら、マクドナルド復活の要因を説明します。

サラ・カサノバ社長の下、復活した日本マクドナルドホールディングス(写真:つのだよしお/アフロ)

危機を脱し、ほぼ復調したマクドナルド

 まずは回復が続く2016年12月期、2017年12月期の通期業績から見ていきます。

2017年12月期 日本マクドナルドHD決算

(単位:百万円、前期比%)

 売上高は、17年12月期に前年同期比11.9%増の2536億円。その前の期である16年12月期は19.6%増の2266億円で、2期連続の大幅回復となりました。

 営業利益も順調に回復しています。17年12月期は172.9%増の189億円。16年12月期は69億円。後ほど触れますが、その前の14年12月期、15年12月期は鶏肉偽装事件などの問題で大幅な減収減益となっていた“最悪期”でしたので、16年を境にV字回復を遂げたと言えるでしょう。

 17年12月期はROE(自己資本当期純利益率)も20.0%まで上昇。自己資本比率も66.1%となりました。自己資本比率は、元々高い水準でしたが、さらに安全性を高めています。

 収益性を見るために売上原価率(直営店舗売上原価÷直営店舗売上高)を計算しますと、16年12月期は90.2%。それが17年12月期には87.1%まで下がっています。最近、原材料高が外食産業の収益を圧迫しているという話もありますが、マクドナルドの場合はうまく原価のコントロールができているようです。

 業績の改善は、財務内容からも読み取れます。貸借対照表の「資産の部」にある「現金及び預金」は、16年12月期に212億円だったのが、17年12月期には259億円まで増加。さらに「負債の部」から借り入れの状況を見ますと、「長期借入金」が206億円から111億円まで減少しています。業績回復に伴い、ネットキャッシュ(現預金マイナス有利子負債)も確実に増加しており、財務的にも安全性を高めている様子が窺えます。