異常が普通になりつつある日本の金融政策

 太平洋戦争の末路は、日本人300万人以上の犠牲と敗北でした。日銀の政策で直接人が亡くなるわけではありませんが、効果よりも副作用が心配される金融政策を続けていけば、リスクばかりが増大していきます。

 米国は量的緩和を早々に終わらせて、金利引き上げに向かっています。欧州中央銀行も、年内で量的緩和を終了すると発表しています。欧米では、金融政策を正常化させるプロセスに入りつつあるのです。それに対し、日本だけが依然として異次元緩和を続けている。

 もちろん、7月末の金融政策決定会合で、長期金利のゼロ%誘導を維持しながら変動幅の上限を従来のプラスマイナス0.1%から同0.2%に広げるなど、軌道修正の動きもないわけではありません。しかし、量的緩和というスタンスは維持されたままです。

 量的緩和によって、現在のマネタリーベースは500兆円弱。135兆円を2年間で270兆円に倍増し、「異次元」と言われた当初の目標をはるかに上回っています。それなのに今ではほとんど注目すらされていません。明らかに異常な状態だと感じます。

 戦時中は異常を異常と感じられなくなるものです。日本の金融政策も同じです。異常が常態化しつつあり「普通」だと多くの人が思っていることが非常に心配です。

 今、日銀も、政府も、私たちも、現在の金融政策は異常な状態だということを認識しなければなりません。