コミットメントラインとは、金融機関が顧客企業から融資をお願いされた場合に、どれだけ貸し出せるかという約束のことです。ただし、これは、業績が悪い場合でも、土地や有価証券などの資産があるからこそ融資の約束ができるわけですから、もしこの業績が続いて資産売却を進めていけば、この水準のコミットメントラインを維持できるかどうか分かりません。

 そもそも、結局のところは本業で稼がない限り、銀行もいつまでもコミットメントラインを約束し続けることはできないのです。

 さらに「商品分類別売上高」(第1四半期)を見てください。

18年12月期第1四半期決算
商品分類別売上高
金額(千円)前年同期比(%)
家具
収納家具116,47878.2
和家具24,39673.0
応接1,948,68586.8
リビングボード494,61687.6
学習・事務486,83287.7
ダイニング1,705,46683.7
ジュータン・カーテン807,04997.5
寝具2,329,57489.5
電気・往器435,03599.1
単品178,32482.5
リトグラフ・絵画5,967102.6
その他576,966108.9
売上高9,109,39389.3
不動産賃貸収入11,937100.0
合計9,121,33189.3

 「リトグラフ・絵画」といった売上規模の小さいものは若干伸びていますが、「応接」「ダイニング」「寝具」といった主力の商品は前年同期比10%以上の減少が見られます。

 では、このところの業績は回復しているのでしょうか。月次情報から店舗の売上高を見ますと、第1四半期(1~3月)に引き続き、4月は前年同月比87.4%、5月は90.2%、6月は82.6%と前年を割り込んでいる状況です。

 先ほども述べたように、大塚家具は第2四半期までに業績をかなり改善させる見通しを立てていますが、実際は売上高を見る限りはそれほど改善していない可能性が高そうです。

 かなり厳しい状況が続いていることは否めません。

 経営コンサルタントの視点から考えますと、このような状態が続くのであれば、経営者を交替するという選択肢も視野に入れるべきだと私は思います。「所有」と「経営」を分離し、久美子社長は経営から退いて、別の経営者に託すことも視野に入れるべきではないでしょうか。

 本コラム「大塚家具とニトリ、なぜ明暗分かれたか」でも述べましたが、大塚家具が低迷している原因は、新しい戦略よりも久美子社長の総合的な経営力に問題があるのではないかと感じます。

 このままでは業績改善は見込みにくいのではないでしょうか。久美子社長が「匠大塚」を経営する父・勝久氏に頭を下げ、勝久氏とファンドなどが手を組んで大塚家具を経営する、というのも一つの手ではないかと思います。もちろん、ここまでくると難しいかもしれませんが、一番良いのは、親子が仲直りすることです。私も経営コンサルタントを長くしているので親子で揉めるケースを何度か経験しました。そのときに必ず行うアドバイスは、子どもに対して「親孝行して不幸になった人はいない」ということです。

 どの段階で黒字に転じるのか、あるいはこの状態が続くのか、戦略などの転換があるのか、引き続き注意が必要です。