このうち中国は、輸出額12兆3622億円。輸入額17兆153億円。4兆6531億円の貿易赤字となっています。中国へ生産拠点を移した日本企業からモノを輸入していることもありますが、中国の製品レベル自体が上がってきていますから、中国ブランドの製品の輸入も増えてきているのです。対中の貿易赤字は、今後も増加し続ける可能性があります。

 このように、日本にとってEUは、貿易相手国(地域)としては中国、米国に次ぐ3番手なのです。

EV普及で自動車関税撤廃のメリット薄れる可能性も

 続いて、対EU貿易の内訳を見ていきます。

対EU 主要輸出入品目(2016年)
(出所:財務省)

 2016年の日本からEUへの主要輸出品は、1位が自動車1兆2494億円(輸出総額に対する割合15.7%)、2位は自動車部品4658億円(5.8%)、3位は原動機3522億円(4.4%)。何といっても自動車関連が上位です。

 EUから日本への主要輸入品は、1位が医薬品1兆5505億円(輸入総額に対する割合19.0%)、2位は自動車9497億円(11.7%)、有機化合物4214億円(5.2%)となっています。

 ちなみに、話題になっているチーズの輸入額は378億円(0.5%)。現行29.8%の関税がかけられているとはいえ、輸入総額から見ると非常に小さな規模です。バッグ類の輸入額も1858億円(2.3%)ほどしかありません。現行で最高30%の関税がかけられていますが、16年後に撤廃されても、日本経済には大きなインパクトはないでしょう。この部分は、どちらかというと、国民にとって分かりやすいところで成果を出したという意味合いが大きいのではないでしょうか。

 EUへの輸出額1位の自動車は、現行10%の関税が8年目までに段階的に撤廃される見通しです。ただし、完全に撤廃されるのはずっと先の話ですから、すぐに影響が出るわけではありません。

 しかも、その頃には世界の自動車業界の勢力図が大きく変わっている可能性があります。例えば、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボは、2019年以降に発売する全車種を電気自動車(EV)やハイブリッド車にすると発表しました。フランス政府は、2040年までに国内のガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針を発表。中国では、環境問題対策からEVの普及を拡大しようとしています。

 こうした動きによって、世界の新車販売数に占めるEVの割合は、2040年には5割を超えるのではないかとの予測も出ています。EVが普及すれば、エンジンはモーターに変わり、車体の設計も大幅に変わります。