中小企業ほど人手不足が深刻で、設備投資に手が回らない

 その他の要素でも、中小企業は大企業よりも苦しい状況にあります。「雇用人員判断」を見てください。

 これは、「過剰(%)-不足(%)」の数値です。上の表を見ますと、企業の規模が小さくなるほど人手不足感が強いことが分かります。いずれもマイナス幅が大きいことから、人手不足の問題は全規模、全産業において深刻な問題となっていますが、中小企業のほうがより深刻感が強いということです。

 続いて、「設備投資額」を見てください。

 こちらも、企業の規模が小さくなるほど、設備投資の伸びが小さくなっています。特徴的なのは「中小企業」であり、大企業・中堅企業との間に大きく差が開いていますね。中小企業・非製造業に至っては、大幅なマイナスとなっています。

 中小企業ほど先行き懸念が強く、また、資金的に余裕が小さいところも多く、設備投資を控えているということです。

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