財務安全性高まり、積極投資の姿勢に転換

 中長期的な安全性を示す自己資本比率は、16.6%。鴻海に増資をしてもらったお陰で、債務超過に陥っていた前の期のマイナス2.7%から大幅に改善しています。

 もう一つ、注目したいのがキャッシュ・フロー計算書です。設備投資が含まれる「有形固定資産の取得による支出」が、2016年3月期の463億円から17年3月期は773億円まで増加しています。これに対し、「減価償却費」は682億円です。

 一般的に、現事業の規模を維持するためには、減価償却費と同じくらいの設備投資が必要と考えられています。2016年3月期は債務超過に陥っていて、銀行からの融資も先が見えず、設備投資には消極的にならざるを得なかったのでしょう。それが、鴻海から出資によって安全性が強化され、収益性向上にもある程度のめどがつき、ようやく積極的に投資をしていく姿勢に変わりつつあることが読み取れます。

 各事業は黒字を稼いでいますから、このまま売上高営業利益率を上げていくことができれば、さらに安定軌道に乗るのではないでしょうか。

 東芝とシャープ、経営危機に陥った電機2社の明暗が分かれました。なお厳しい状況が続く東芝の行方に注目していきたいと思います。