鴻海による改革が奏功し、全事業で黒字化したシャープ

 一方のシャープはどうか。2017年3月期決算から見ていきましょう。こちらはもちろん監査法人がオーケーを出した決算内容です。

 売上高は、前の期より16.7%減の2兆506億円。本業の儲けを示す営業利益は、前の期は1619億円の赤字だったのが、この期は624億円の黒字に転じました。売上高を縮小しながらも、収益性の向上にある程度成功したのです。売上高営業利益率(営業利益÷売上高)はいまだに3.0%と低い水準ではありますが、大幅に改善していると言えます。鴻海による組織のスリム化や分社化経営などといった改革が功を奏したのでしょう。

 変化が特徴的なのは、各事業の業績です。事業ごとの収益をまとめたセグメント情報を見てください。

 2016年3月期は、電子デバイス、エネルギーソリューション、ディスプレイデバイスの3事業で営業赤字となっていました。特に主力のディスプレイデバイス(液晶)事業は、1772億円の赤字を計上しています。

 それが2017年3月期には、ほとんどの事業の業績が改善しました。営業赤字を出していた3つの事業は、いずれも売上高は減少しているものの、利益を確保しています。とくに、ディスプレイデバイスの回復が営業利益回復に大きく貢献しました。1年足らずで黒字化を実現できた鴻海の経営手腕はさすがだと思います。