問題は新興国通貨

 こうしてFRBは3月、6月と順調に利上げをしてきたわけですが、年後半はどのような判断をしていくのでしょうか。ポイントは、米国内の景気の見通しと新興国の状況です。

米国
消費者信頼感指数
(85年=100)
米ISM景気指数(%) 企業収益税込(10億ドル)
2015年 98.0 51.4 2152.1
2016年 99.8 51.5 2088.1
2017年
2017年1月 111.8 56.0 2109.0(1-3)
2月 114.8 57.7
3月 125.6 57.2
4月 120.3 54.8 2123.4(4-6)
5月 117.9 54.9
6月 117.3 57.8
7月 120.0 56.3 2213.7(7-9)
8月 122.9 58.8
9月 119.8 60.8
10月 125.9 58.7 2212.5(10-12)
11月 129.5 58.2
12月 123.1 59.7
2018年1月 125.4 59.1 2200.1(1-3)
2月 130.8 60.8
3月 127.7 59.3
4月 128.7 57.3
5月 128.0
出所:米国政府

 まず、米国の景況を見ていきましょう。消費者心理を示す「消費者信頼感指数」は、2018年に入ってから130前後という高水準を維持しています。

 景気に最も敏感と言われる製造業の購買担当者を対象に調査した景況感を示す「米ISM景気指数」も、「良い」と「悪い」の境目である50を大きく超えた状態が続いています。この指標は景気の先行指数ですから、今後数カ月は好調が続く可能性が高いと言えます。「企業収益(税込)」も2兆2千億ドルを超え、まずまずの水準です。

 以上の点から、米国経済は、一部の負債残高などにやや過熱感はありますが、全体的にはそれほどの過熱感もなく、順調に推移していると言えるでしょう。このまま問題が起こらなければ、今年中に1度の利上げは確実で、2度の利上げが行われる可能性も高いと私は見ています。

 ただし、世界を見渡せば懸念材料があることにも注意しなければなりません。新興国の通貨危機の動向です。特にアルゼンチンは、通貨防衛のために政策金利を40%に設定しましたが、それでも通貨安に歯止めがかからず、6月7日に国際通貨基金(IMF)から500億ドル(約5兆4800億円)の融資を受けることが決まりました。

 その他の新興国通貨も弱含んでおり、ブラジルの通貨レアル、トルコの通貨リラも売られている状況です。

 この新興国経済の不安定化は、今後も注意深く見守る必要があり、FRBも注視していることは間違いありません。新興国の経済情勢に大きな変化があれば、FRBの利上げ判断にも影響を及ぼします。