6月15日に、住宅宿泊事業法(通称「民泊新法」)が施行されます。民泊とは、一般の住宅を活用して宿泊サービスを提供すること。年々増加する外国人観光客によってホテル不足が深刻になり、民泊の需要が拡大しつつあります。ところが、その裏側では許可を得ていない「闇民泊」が横行し、周辺では宿泊客によるゴミや騒音などの近隣トラブルが問題になっていました。

 そこで民泊新法によって事業者の届出が義務化されることで、闇民泊を防ぎながら、宿泊サービスの供給を増やす効果が期待されています。

 もちろん、それは必要な対策ですが、闇民泊の規制強化が進むことなどで一時的にホテル料金が上昇するのではないかと私は懸念しています。民泊の事前届出も低調です。今回は、民泊新法の行方とともにインバウンドの最近の傾向を分析してみたいと思います。

(写真:ロイター/アフロ)

大阪のホテル料金が上がりつつある

 職業柄、私は週に数度の頻度で東京以外の都市に宿泊していますが、ここ最近、一部地域のホテル料金が上がりつつあると感じます。特に大阪梅田周辺は少し上昇している感覚があるのです。

 その理由は、やはり外国人観光客の増加でしょう。日本政府観光局(JNTO)による統計では、2017年の訪日外国人数は前年比19.3%増の2869万1000人で統計開始以来の最高となり、2018年に入ってからも、前年比で15%程度のペースで増加しており、4月までの累計が1051万9000人と、過去最速で1000万人を超えました。

 日本国内の中でも、大阪は外国人観光客にとって人気のスポットであり、大阪観光局によると2017年の来阪外国人観光客数は1111万人で過去最多を記録したといいます。

 大阪のホテル料金は2015年がピークで、一般的なビジネスホテルでも「1泊3万円」なども頻繁に見かけました。通常なら1万円台で泊まれる大阪のホテルでは、スイートルームでもないのに「1泊6万円」と言われて驚愕したこともありました。

 それが翌2016年には、ホテル料金は通常の「1泊1万円」程度の水準まで落ち着きました。その理由は、闇民泊の増加だとされます。例えば、中国人が大阪で古いビジネスビルを一棟買い取り、闇民泊として宿泊客に提供するといったケースも見られました。多人数で宿泊できますから、1部屋1泊1万円だとしても、5人で利用すれば1人あたり2000円という非常に安い価格で泊まれるのです。

 ただし、冒頭でも触れましたが、利用客のマナーが悪く、近隣とのトラブルが絶えないと報道されています。闇民泊は、「違法」と「近隣トラブル」のダブルで問題視されているのです。

 ちなみに、同じく無許可で観光客を送迎する「白タク」も関西空港などで問題になっています。中国国内で利用者を集め、スマートフォンなどで事前に決済を済ませていることから、日本での摘発が難しい。現場で料金の授受がありませんから、摘発されそうになっても「知り合いです」と言えば回避できてしまうのです。