高齢者、外国人労働者の活用でカバーする

 日本の労働力を考える上で、重要なキーワードの一つに「高齢者の活用」があります。

 近年、年金受給開始年齢を従来の65歳から68歳などに引き上げる案が話題になっています。また、受け取り年齢を70歳を超えても可能なようにするという案も出ています(現状も原則的には65歳が受給開始年齢ですが、60~70歳の間で受け取り始めるタイミングを選べます)。こういった話題は、年金財政が逼迫しているからこそ出てきているわけですが、65歳以上でも働いておられる方は増加しています。働きがい、生きがいという観点からも高齢者雇用のあり方を見直す時期がきているのです。

 さらに、雇用という観点で高齢者をいかに活用するかということは非常に大切ですが、「15~64歳まで」という生産年齢人口の定義自体が、それほど大きな意味を持たなくなりつつあるとも感じます。

 もう一つ、人手不足問題を「外国人労働者」でカバーすればいいのではないか、という話もあります。

 外国人労働者数は年々増加しており、厚生労働省の調べでは、2017年は約128万人に上ったとのことです。2008年は約49万人でしたので、10年で2倍以上に増えています。これには、留学生のアルバイトなどの資格外活動や、技能実習生なども含まれています。

 移民に対しては抵抗感の強い日本ですが、私は、就労が認められた在留資格を得た外国人に対して、10年の長期滞在ビザを発行すればよいのではないかと考えています。日本に長期滞在中は、医療保険や年金にも加入してもらい、その間、医療サービスを受けられるほかに、年金保険料を支払った人には、将来の年金受給資格を与えるようにするのです。

 高齢者や女性の活用が進んでも、日本人だけでは人手不足問題はカバーしきれないでしょう。人口が減少していく中で、数百万人単位の数が必要なのです。労働力確保のために外国人労働者を活用することは、今後ますます重要になってくるでしょう。

 生産年齢人口が減少の一途を辿り、人手不足に陥る中で、政府はどのような政策をとるべきか。働き方改革で生産性を向上させることは必須ですが、それだけでは解決しません。日本で反対論も多い移民の受け入れについての議論も避けては通れないでしょうが、まずは10年のビザなどの支給でこの難局を乗り切ることを考えるべき時が来ていると思います。

 あらゆる策で人手を確保しながら、地域の競争によって産業を活性化させる。踏み込んだ政策を打ち出す時期にいることは間違いありません。