人手不足の問題がクローズアップされています。実際のところ、国内の労働者の総数はどれほどなのでしょうか。今回は、具体的な数字やその推移を見ながら、日本の将来を考えてみましょう。

 総務省によると、15~64歳までの「生産年齢人口」は、2015年は7592万人だったのに対し、2030年は6773万人、2050年には5001万人まで減少するとの推計値が出ています。この数字には、この年齢に属するけれども働いていない人の数字も含まれます。一方、実際に働いている「就業者数」は、高齢者の働き手が増えたことなどから、今のところ増加傾向が続いていますが、今後はそれも減少に転ずる見通しです。

 このままでは人手不足が経済成長の大きな制約となりかねません。対策待ったなしの日本は、これからどのような手を打つべきなのでしょうか。就業者数、労働力人口のデータを深掘りしながら探ります。

医療・福祉の分野でも外国人が欠かせなくなっている(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

医療・福祉の就業者数が増え、建設、製造は減少

 まず現状の国内の就業者数から見ていきましょう。2002年3月の就業者数の総数は6297万人、2018年3月は6620万人ですから、この16年間で約323万人増加したことになります。2007年までの戦後最長の景気拡大と、その後、リーマンショックを乗り越えた戦後2番目の長さの景気拡大が大きな原因です。

 ではどんな業種が就業者を増やしているのでしょうか。とても興味深い内容です。

業種別 就業者数(万人)
2002年3月 2018年3月
総数 6297 6620 323
農業,林業 242 204 -38
非農林業 6055 6416 361
建設業 628 501 -127
製造業 1238 1081 -157
情報通信業 156 225 69
運輸業,郵便業 323 337 14
卸売業,小売業 1081 1053 -28
金融業,保険業 161 167 6
不動産業,物品賃貸業 99 133 34
学術研究,専門・技術サービス業 207 235 28
宿泊業,飲食サービス業 397 417 20
生活関連サービス業,娯楽業 246 232 -14
教育,学習支援業 266 312 46
医療,福祉 467 799 332
複合サービス事業 76 58 -18
サービス業(他に分類されないもの) 375 455 80
公務(他に分類されるものを除く) 218 233 15
出所:総務省統計局

 最も増えているのが「医療、福祉」で、332万人の増加です。先ほどもみたように就業者の総数はこの16年間で323万人増えていますが、「医療、福祉」はそれ以上に増えているということです。社会の高齢化に対応した介護ニーズなどが大きく拡大してきたことがうかがえます。一方で、建設業は127万人減、製造業は157万人減となっています。

 建設業も製造業も人手不足と言われていますが、16年間の就業者数の推移を見ると、大幅に縮小していることが分かります。

 建設業が減っているのは、働く人の高齢化が考えられます。また、他業種でも求人が多いため、仕事のきつい建設業からの転職も考えられます。製造業に関しては、ロボット化などの生産性の向上が進んでいることに加え、零細業者の高齢化により後継者がいないなどの問題があります。全体的には、日本が得意とするモノ作りからサービス業への就業人口のシフトが顕著というところです。