ただ、価格交渉がうまくいかなかったとしても、ヤマトはアマゾンとの取り引きを全部止めてしまうことはないのではないかと思います。ヤマトは、アマゾンの仕事を増やすことも念頭に、国内に3カ所もハブと呼ばれる大型物流施設を建設しているからです。

 佐川急便が「アマゾンの配送は採算が合わない」として撤退を決めた2014年以降、アマゾンは配送の大部分をヤマトに依存するようになりました。ヤマトも物流量の増加に対応できるように、2000億円以上を投じて厚木と羽田、沖縄に巨大ハブを建設。それらの稼働率を上げるため、利益率が低くてもアマゾンからの荷物を引き受けていました。それでも、当時のヤマトは何とか採算が取れると思っていたのでしょう。

 ところが、ここで誤算が生じます。アマゾンを含むネット通販の拡大によって、物流量は予想以上に増加。大口顧客であるネット通販会社には配送料の割引が適用されるため、採算が悪化していきました。

 その上、人手不足によって人件費の上昇が重なり、いよいよ業績の落ち込みに歯止めがかからなくなってきたのです。

 アマゾンとの値上げ交渉はどうなるのか。アマゾンがヤマトに依存する体制を見直すのであれば、自社配送を強化しながらも負荷を複数の運送会社に分散していくでしょう。その中でも、日本郵便にかなりシフトしていくのではないかと私は考えています。

郵便・物流事業の利益率が極端に低い日本郵政。しかし改善の余地は十分

 続いて、日本郵便の親会社である日本郵政の17年4~12月期の決算内容を見てみましょう。こちらは第3四半期までの数字です。

 売上高にあたる経常収益は、前の期に比べ7.5%減の9兆9895億円。これはトヨタ自動車を除く国内自動車大手を上回る規模です。かなり大きな会社だということが分かりますね。

 経常利益は25.9%減の5810億円。最終利益は22.6%減の2966億円となっています。なおこの17年4~12月期決算には、豪物流会社トール・ホールディングスの減損損失4003億円は含まれていません。

 減収減益の理由は、金融事業です。16年2月16日からスタートした日銀のマイナス金利政策によって運用環境が悪化し、ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険の業績が落ち込んだのです。

 もう少し詳しく見るために、セグメント情報に注目してみましょう。

 各事業の営業利益を示す「セグメント利益」を見ますと、利益の大部分は減益といっても銀行業や生命保険業といった金融業で稼いでいることが分かります。一方、主力であるはずの郵便・物流事業や国際物流事業は、売上高で1兆4千億円強あるにも関わらず、利益は37億円弱と、ほとんど利益を上げられていません。