闇民泊は特に大阪で増えていると聞きます。闇民泊ビジネスをする中国人は、古いオフィスビルを一棟買いして民泊に使っているそうです。マンションの一室を民泊に使うと近隣から苦情が出るからですね。

 もちろん闇民泊は違法です。しかし、政府も長い間、見て見ぬ振りをしてきたのではないでしょうか。都市部のビジネスホテルで1泊3万などの水準が続けば、企業やビジネスで出張する人の間で「予約が取りにくい。出張したくてもできない」との不満が高まりますからね。さらに、日本人観光客からも「ホテルの料金が高すぎて旅行ができない」との苦情が出るようになりました。自民党政権にとって、見過ごせない話となったわけです。

 厚生労働省と観光庁は、今後、闇民泊の取り締まりを強化していく方針ですが、今しばらくは闇民泊が横行するのではないかと思います。

中国の外貨準備の減少が「爆買い」減少に影響

 2016年は、中国人観光客による「爆買い」の勢いが衰える年になりました。これは、高額品の売り上げを示す「全国百貨店売上高」の推移を見ると分かります。16年は、2月以外すべて前年比マイナスが続いていますね。

出所:日本百貨店協会
出所:日本百貨店協会

 2月だけプラスなのはなぜでしょうか。この質問をすると、よく「春節だから」という答えが返ってきます。残念ながら違います。正解は「うるう年」の影響です。

 うるう年によって1日分の売り上げが押し上げられているのです。その幅は、単純計算で約3.6%。これを差し引けば、2月はマイナス3.4%となり、やはり前年割れのペースなのです。

 全国百貨店売上高の値が下がり続けている理由は、先にも述べたように「爆買い」が縮小したからです。では、なぜ爆買いは終わってしまったのでしょう。

 中国経済が減速したことが原因と考える読者の方がおられるかもしれません。確かにそれもありますが、もっと深いところの理由は、中国の外貨準備高が減ってしまったことです。

 中国の外貨準備は、2014年6月に3兆9900億ドルでピークに達し、もう少しで4兆ドルのところまで増えました。それが16年12月末時点には3兆105ドルまで減少しています。2年半でおよそ1兆ドルも減り、3兆ドルぎりぎりのところまで下がってしまったのです(ちなみに日本の外貨準備高は約1兆2000億ドルです)

 中国企業は、好景気だった2000年代、輸出をどんどん増やして急成長しました。輸出をすると、中国企業は代金をドルなど外貨で受け取ります。外貨のままでは社員に給料を支払えませんから、中国企業はドルなどを市場で売って人民元を買います。すると、人民元はどんどん高くなってしまい、輸出に悪影響が出ますよね。

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