トランプ政策の恩恵を受ける日本

 日本経済の話をしましょう。私は、米国の経済政策の恩恵を大きく受けるのは恐らく日本であると考えています。

 FRBが政策金利を上げ、米国の金利全般が上昇すると、円安・ドル高が進みやすくなります。すぐ後で触れますが、私は日本でも今年夏前には物価上昇率がプラスになると考えています。そうなれば、実質金利(名目金利から物価上昇率を差し引いたもの)は低いままなので、円安に振れやすいでしょう。円安に振れれば、当然のことながら日本のグローバル企業の業績が改善します。日経平均株価も上向くでしょう。2017年前半は、こういう流れで日本経済が比較的堅調なのではないかと考えています。

出所:総務省、日銀 ※は速報値

 もう一つの注目点は、日本国内の消費者物価指数です。上の表を見ていただくとお分かりのように、昨年の春先からずっと、前年比マイナス0.4%前後で推移していますね。いわばデフレ傾向が続いているわけです。日銀が目標とする「物価2%」には遠く及びません。

 しかし、早ければ今年の夏前には、この数字がプラスに転じるのではないかと私は見ています。

 消費者物価指数がマイナスになっている原因として、表の右に出ている輸入物価が大幅に落ち込んでいることが挙げられます。なぜ輸入物価が落ち込んでいるのか。理由は二つあります。一つは、2016年の年初から続いた円高です。15年末には1ドル=120円台だった相場が、年が明けてから一気に円高に進み、8月には1ドル=100円台前半まで高騰しました。

 秋頃までこの水準が続きましたが、11月に転機が訪れました。米大統領選挙でトランプ氏が勝利し「まさかの円安」に転じたのです。

 先にも述べましたが、米国の経済政策によって今後もしばらくは現状通り、もしくはそれより少し円安の状況が続くと思われます。このため輸入物価および消費者物価も上昇しやすいのです。少なくとも前年比でみた場合には上昇すると考えられます。