2020年東京五輪に向けて日本経済は回復するのか? 日銀の金融緩和はなぜ効果を出せないのか? トランプ米大統領が就任した後、世界経済はどこに向かうのか? 英国の離脱は欧州経済は何をもたらすのか? 中国経済の減速が日本に与える影響は?
不確定要素が多く先行きが読みにくい今、確かな手がかりとなるのは「数字」です。経済指標を継続的に見ると、日本・世界経済の動きをつかむヒントが得られる。
企業の動きも同様。決算書の数字から、安全性、収益性、将来性を推し量ることができる。
本コラムでは、経営コンサルタントの小宮一慶氏が、「経済の数字」と「会社の数字」の読み解き方をやさしく解説する。
シリーズ
小宮一慶が読み解く経済の数字・企業の数字

完結
53回
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来週に迫る政策決定会合、FRBを待てぬ日銀が打つ手は?
日本銀行が政策決定会合が7月29~30日に迫った。FRBが利下げに動く可能性が指摘される中、日銀はFRBに先立って方針を決めなければならない。しかも、打つ手は限られる。マイナス金利を深堀りすれば、金融機関の業績をさらに傷…
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景気下降局面で消費増税へ、五輪需要も剥げ落ちる
政府が「骨太方針」に、10月1日に消費税率の引き上げを行うことを盛り込みました。高い確率で増税が実施となる予定です。しかし、日本経済の現状は、米中摩擦の影響や米国の金利下げの思惑がもたらす円高もあり、決して楽観視できる状…
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V字回復したマックの決算書が示す「しんどい時」の種まき
今回はマクドナルドが業績をV字回復させたカギを決算から読み解く。注目するのは2015年の決算だ。営業赤字に陥りつつも、借入金を増やして資金を確保し、減価償却費を上回る投資に振り向けた。
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中国の6.6%成長はとても信じられない
中国国家統計局が2018年のGDPは前年比6.6%増と発表しました。1990年以来28年ぶりの低水準とのことです。私はそれでも、6.6%は高すぎるのではない。GDPを構成する家計の支出、企業の支出、政府の支出の動向をそれ…
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過熱の終焉か? ZOZOが下方修正した背景を決算書で読む
「ZOZOTOWN」を運営する「ZOZO」はこれまで破竹の勢いで成長を遂げてきた。しかし、2019年3月期の通期業績予想を下方修正。投資家をかなり失望させた。ZOZOの決算を詳しく分析する。
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RIZAP、下方修正の背後に「負ののれん」
「結果にコミットする」とのスローガンで注目を集めたRIZAPグループが19年3月期の業績予想を下方修正。営業損益が33億円の赤字に転落すると明らかにした。その原因に「M&A経営」とその会計処理があった。その実態を数字で追…
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消費増税と安倍首相の夢「憲法改正」の微妙な関係
2019年の日本経済の展望と注目すべきポイントについてお話しします。私が注目している点は次の4つです。第1は国内景気の変調。第2は中国経済、特に中国の経常収支の動向。第3は消費増税の行方。そして第4は、日銀が手詰まり状態…
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中国が経常赤字に転落、日本への影響は
今年上半期、中国の経常収支が赤字に転落しました。2000年代から急成長を遂げ、世界第2位の経済大国に成長した中国が、なぜ今になって経常赤字に陥ったのか。日本への影響はどのように考えればいいのか。中国経済の現状と展望につい…
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ゴーン逮捕、日産経営陣は作戦を間違えた
仏ルノー・日産自動車・三菱自動車の会長を務めるカルロス・ゴーン氏が東京地検特捜部に逮捕されました。ゴーン氏側は、徹底的に争う構えです。問題は簡単には決着しそうにありませんが、今後、ルノーによる日産支配はどうなっていくので…
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「ドンキ化」で総合スーパーは蘇るのか
ユニー・ファミマが、保有する傘下の総合スーパー(GMS)、ユニーの全株式をディスカウントストア大手のドンキホーテホールディングスに売却すると発表しました。「ドンキ流」を取り入れる戦略で、ユニーの業績回復は望めるのでしょう…
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私が「景気後退の衝撃に備えよ」と話すワケ
このところ私は講演会などで、お客さまである経営者の皆さんに向けて「景気後退の衝撃に備えよ」という話をしています。景気循環という意味に加え、米中貿易戦争や消費増税という懸念材料も大きなインパクトを及ぼす可能性が高いからです…
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「米国第一」は意外に正しかった
11月6日の米中間選挙に向けて、トランプ大統領が「米国ファースト」の姿勢を強めています。その路線の下で激化しているのが米中貿易戦争です。「この貿易戦争で、得をする者は誰もいない」と言われることもありますが、果たしてそうで…
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ノーベル賞「オプジーボ」と製薬会社の将来性
2018年のノーベル生理学・医学賞には、画期的ながん免疫治療薬「オプジーボ」の開発に貢献する研究成果を出した京都大学特別教授の本庶佑氏が選ばれました。今回は、オプジーボ発売以降の小野薬品工業の業績の推移を分析した上で、高…
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60歳リタイアは非現実的な選択だ
60歳で定年を迎え、退職してのんびりと暮らす──。今ではほんの一握りの人たちしか、その選択はできなくなりつつあると感じます。私たちは、60歳以降の生活をどのように考えていけばよいのでしょうか。
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調剤薬局にヤマト運輸やアマゾンが参入する日
電子処方箋が導入され、医薬品のデリバリーの自由化が進めば、ネット通販や運送業者が調剤業に参入してくる可能性があるでしょう。調剤業は、政府の政策によって業績から勢力図までがらりと変わってしまうリスクを抱えているのです。
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マクドナルド復活の伏線は「最悪期」にあった
日本マクドナルドホールディングスが急速に業績を回復させています。一時の深刻な顧客離れから、V字回復を遂げたと言えるでしょう。店舗の改装や新メニューなどが奏功したと言われていますが、もう一つの大きな要素がありました。
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日銀はいつまで「大本営発表」を続けるのか
日銀の金融政策は、太平洋戦争時の日本と同じ状況に陥っているのではないか──。8月15日に終戦の日を迎え、ふとそんなことを思いました。金融政策の先行きとリスクを考えながら説明します。
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大塚家具、久美子社長は父に頭を下げてはどうか
経営方針の違いから父娘が対立し、最終的に娘である大塚久美子氏に経営権が渡ってから3年。大塚家具の業績は低迷を続けています。同社に復活の兆しはあるのでしょうか。前期と最新の決算内容を分析します。
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短観が映す中小企業苦戦の歴史と要因
7月2日に日銀が発表した短観(6月調査)では、大企業・製造業の景況感悪化が注目されました。ただ、私が着目したのは、「なぜ中小企業は、いつも大企業や中堅企業よりも数字が悪いのか」という点です。今回はその原因を考えます。
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JR九州は儲けに走らず、地域社会への貢献を
業績好調のJR九州。ところがそれは多角化のおかげで、主力の鉄道事業で大幅減便に踏み切りました。収益性を高めることも大切ですが、地域の公益性を重視しインフラサービスを維持するのは鉄道会社の役割ではないでしょうか。
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徹底予測2021年 底打ちか奈落か
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不屈の路程
話題の経営者や気鋭の起業家はいかにして自らの経営を確立するに至ったのか。そこにたどり着くまでの道のりは決して順風…
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菅野泰夫のズームイン・ズームアウト欧州経済
ロシアを足掛かりに、欧州経済・金融市場の調査を担当して、既に十数年の月日がたちました。英国の欧州連合(EU)離脱…
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70歳定年 あなたを待ち受ける天国と地獄
従業員の希望に応じて70歳まで働く場を確保することを企業の努力義務として定めた、改正高齢者雇用安定法が2021年…
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