そしてフリーランサーの62%が、労働環境がとても良くなったと回答し、新しい仕事のスタイルに満足しているとしている。しかしながら、人材市場で高い評価を常に維持していかなければならない、キャリアアップの方向性を見極めなければならないなど、新しい課題も突きつけられることになる。

 これらの課題は社員時代にはないものだったが、雇用システムが先行き不透明なものとなってきている多くの国の現状を見ると、社員であってもフリーランサーたちと同じように個々が新たなチャレンジをしていかなければならなくなってくる、と私は見ている。

 労働市場で大きな動きを見せているフリーランサーたちの多くは専門職で、当然のことながら大学生や院生といった私の生徒たちの中でもその傾向は顕著だ。若者たちは自分の身近な人や所属するなんらかの団体、ひいては広く社会の中で影響力を発揮したいと思っている。

 大きな会社の一員になるということは、個としての立場から人に影響を与えていくという独立したプロフェッショナルという非常に魅力ある選択肢を諦める、ということだ。

 また、このフリーランサーたちのモチベーションの高さは、一般のサラリーマンたちにも見られるようになってきている。社員たちではなくフリーランサーたちからなるチームを統括していくことを想像してみよう。これは現実に起こっていることとは、さほどかけ離れてはいない状況だ。

 専門職の新しい世代のプロフェッショナルたちは、現在のポストには満足しているものの、よりよい条件を求めて常に新しいオファーを探している。この動きを新しいテクノロジーが支えており、例えばLinkedInでは定期的に人材募集情報を受け取ることができ、その上登録した業種のオファーを直接受けることもある。

管理職とは「猫の群れ」をマネージする仕事

 一方、企業内でも社員の働き方をもっと自由に、柔軟にするという考え方は数年前から広がっており、社員の自由裁量の幅を広げるというポリシーはこの10年で特に人材の採用・育成の分野で多く取り入れられている。

 私たちの社会はフリーランサーのメンタリティーを持った社員、という方向で進化しているのだろうか? 私の答えはイエス。もしそうならこの現象が管理職に与える影響は大きい。なぜなら従業員たちから構成されているある部署のマネージメントではなく猫の群れをマネージメントするようなことになるからだ。

 ゲームのルールは変わりつつあり、人材市場で競争力を発揮する優秀な我々のビシネスパーソンの中に広がる新しい価値観に敏感に対応していかなければならないだろう。