ウーバーはオットーを買収し、物流業界の変革にも着手

 自動運転技術はトラック業界にももたらされる。ウーバーは自動運転トラックの開発を手がけるベンチャー企業、オットーを買収。グーグルで自動運転車を開発したアンソニー・レバンドフスキ(Anthony Levandowski)氏を自動運転トラックによる輸送プロジェクトの責任者に抜擢し、物流業界の変革に乗り出した。ウーバーは、自動運転トラックで5万2000個の缶ビール(米国で人気の「バドワイザー」)を配送するという実験も実施した。運転席は無人のまま約190キロメートルの距離を走り切った。

 ハンドルもアクセルもブレーキもない車に乗って、単なる乗客として読書したり会話したり、映画を見たりするのは、変な気分かもしれない。しかし、いずれそれが普通になるだろう。例えば、わずか数十年前には、「扉の開閉を担当する人がいないエレベーターには怖くて乗れない」と言っていた人が多かったのだ。実際にエレベーター事故が起こった場合には、扉の開閉担当者は乗客と同じように叫ぶことしかできないにもかかわらず、である。

自動運転車の価格はどんどん下がる

 昨今のテクノロジーをあまり信用しない人は現実を見ていただきたい。自動運転車が決まったルートしか走れないと思っていたら大間違い。自動運転技術はもはや我々の想像のはるか上を行っている。自動運転車の価格もどんどん下がっていく。そして、人間の運転手より確かな視力で、昼夜関係なく、注意散漫になることもない。飲酒運転をすることもない。近くを走る車のドライバーと争ったり、スピードを出し過ぎることもない。

 どんなに自分は運転がうまい、と思っていても、神ならぬ身の人間である以上、ミスはする。あなたのように自信にあふれて運転していた人が、世界中で数えきれないほどの道路事故の加害者となっている。一刻も早くこの悲惨な現状にストップをかけなければならない。

自動車業界は歴史的過渡期にある

 自動車業界は未曾有の変革期を迎えるだろう。そして、将来的にはマイカーの販売はなくなる。

 自動車を取り巻くこの大きな変革は、我々の生活にいろいろな影響を与えるだろう。従来、都市は車の往来を前提として設計されてきたが、これが根本的に覆される。自動運転車やライドシェアが普及すれば、将来、街を往来する自動車は90%減少し、現在駐車場に使われている巨大なスペースが公共スペースとして利用できるようになる。大気汚染も緩和され、ゆとりある街を快適に移動できるようになる。その上交通費も安くなる。これはSFの中の話ではなく、すぐそこまで来ている現実だ。現在、あなたが運転している車は最後のマイカーとなるかもしれない。

 本当にあなたが運転している車は、あなたが所有する最後の車になるかもしれないが、自動走行車の利点を知ったあとでは、そのことをあまり残念には思わないだろうと私は思う。