「TIAL(Total Inmediately Ancestral Longevity)」という指数がある。これは、両親(父母)と4人の祖父母の(合計6人の)寿命を合計した数値であるが、先に述べた最長寿記録を持つジャンヌ・カルマンさんの家系では477歳(平均79.5歳)。有名な科学者を例に出すと、オーゲ・ニールス・ボーア(デンマークの物理学者)は436歳(同72.7歳)、アルベルト・アインシュタインは390歳(同65歳)、チャールズ・ダーウィンは378歳(同63歳)、イレーヌ・キュリーは372(同62歳)。
TIALが高ければ「本人が長生きする可能性が高い」と推定される。ちなみにオーゲ・ニールス・ボーアは87歳、アインシュタインは76歳、ダーウィンは73歳、イレーヌ・キュリーは58歳まで生きた。
「センテナリアン」だけが持つ長寿遺伝子
さて、長寿の大きな要因が遺伝子にあるらしいということは分かったが、ニューヨークのマウント・サイナイ病院の心臓血管研究所所長、バレンティン・フスターによると130の遺伝子において、センテナリアンやスーパーセンテナリアンだけが持つ特徴が見つかったという。例えば、それらの長寿遺伝子のうち「APOE」や「FOXO3」は他の遺伝子と機能して100歳から110歳になった時に心臓疾患や、がん、アルツハイマー型認知症から身を守る働きをするという。
先にセンテナリアン、スーパーセンテナリアンが集中する地域について述べたが、遺伝的要因とあいまって効果をもたらす他の要因があることも明白だ。正しい食生活をしていて、周囲に環境汚染がないこと、健康的な生活のために自分自身をコントロールできるある程度の教育水準──これらの要因が組み合わさって長寿を支えている。
主は「人間の齢は120年を超えないだろう」と言ったけれど
人間の寿命の限界点を、科学の見地から説明するには、大きく分けて2つの観点がある。まずは“体内時計”説。生存可能年数はあらかじめ我々の遺伝子にプログラムされているというもの。そして“消耗度”説。様々なマイナス要因が生存可能年数を短縮してゆくというもので、この要因を排除できれば長生きできる、というわけだ。
一方、旧約聖書 創世記 6章3節で主は言われた。「私の霊は永久には人の中にとどまらない。それは人が肉にすぎないからだ。人間の齢は120年を超えないだろう」。
ジャンヌ・カルマンさんが達成した記録(122歳)は、神が言った120歳を2歳上回っている。前述の2つの条件(「体内時計」と「消耗度」)において、カルマンさんの身体は神の予想を超えていた結果といえるかもしれない。
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