「在宅ワーク」あるいは「フレックス制」が今後ますます浸透していくことは確実である。さらには、それとは別に「従来の雇用契約」とは異なる形で契約し、フルタイムで働く会社員の層が広がっていることが注目される。

 つまり、高度なITテクノロジーが可能にする、「バーチャルワーク」(ネット接続を利用して好きな場所で好きな時間に働く)、「リキッドワーク」(雇用者と被雇用者の共通利益になるように、従来の雇用形態にこだわらない柔軟な形で働く)の普及である。

専門家たちがハイテクを駆使して協働する

 それぞれの具体的なプロジェクトの下にフリーランスのプロフェッショナルたちがチームを形成し、ハイテクノロジーを駆使して協働するという新しい形の契約が増加していく。

 それぞれの国、社会よって法規や習慣が異なり、その受け入れ体制に差はあるものの、雇用側にとっても、被雇用側にとっても有利な「Win-Win」の関係(自分も勝ち、相手も勝つ関係)で成り立つ、新しい雇用モデルがどんどん広がっていくことは確実だ。

 この流れで行くと、オフィスでの事務職の雇用は大幅に減少する。一方で、コンピューター技術者やエンジニアの雇用は増大すると見られる。

 企業経営のあり方はこの新たな状況に適応したものに変わっていかなければならないだろう。

 職人的手工業での製造業でも雇用を失うことが予想されるものの、この点についてこのリポートは逆に楽観的なメッセージを送っている。それは、職人的手工業が圧倒的なハイテクノロジーに飲み込まれてしまう前に、たゆまぬ技能の高度化によって「ハイテクノロジーを補完するポジション」を獲得できる、というものだ。

 リポートが指摘する労働情勢の変化は大きく、実際にその動きが肌で感じられる企業も多いだろう。もしくは今は表面から見えにくくても、水面下で着実に時代は変わりつつある。いつも新しい世紀の始まりには何か大きな激しい変化がある、と言われる。

 新しい千年紀の変革期を生きている私たちは次の名言をマントラ(繰り返し唱えるべき聖句)に追加すべきかもしれない。米国の経営コンサルタント、トム・ピーターズの有名なフレーズである。「『今この時が混乱の中にある』と思わないのは…ものごとをよく見ていないからだ」。