「eリーダーシップ」に必要な3つのスキル

 eリーダーには、戦略的リーダーシップと、デジタルおよびビジネス関する実務能力・知識という、3種類のスキルが必要であるとされる。

 視点を変えて、スキルを縦軸と横軸で考えてみよう。縦軸はその業界での豊かな経験、豊富な知識(例えばICT、科学、エンジニアリング、社会科学など)を有すること。同時に横軸としてビジネス上の幅広い能力(例えば交渉力、判断能力、デザイン力、本質を捉える力、企画力…)を持つ。それら二つの軸の能力を併せ持つリーダーであるといえる。

 ヨーロッパ委員会による前述のプロジェクトLEADでは、ブルガリア、デンマーク、スペイン、イギリスの中小企業42社を対象に分析がなされた。実際にどのようにして、これらの企業でeリーダーたちが生まれたか、そして新たなeリーダーを育成する際に必要な要素が明らかにされている。eリーダーたちの共通点は次の3点があげられている。

■eリーダーシップ トライアングル
「eリーダー」には、「Strategic Leadership(戦略的リーダーシップ)」、「Digital savvy(デジタルについての知識や経験)」、「Business savvy(ビジネスについての知識や経験)」の3つのスキルが求められている。「e-Leadership Skills for Small and Medium Sized Enterprises – Final Report」(欧州委員会発行)から

1.戦略的なリーダーシップがある
 企業ではイノベーションが中心課題となっている。そしてeリーダーたちはこれを積極的に推進する力となっている。さまざまなジャンルの専門家を巻き込んで、イノベーションを実現することができる。技術のイノベーションが中心だが、ここでいうイノベーションにはビジネスモデルに関するイノベーションも含まれている。

2.デジタルについての知識・経験が豊か
 第2にeリーダーはITや通信などの分野の、新しい技術の動向に敏感であることが必要だ。例えば、SMAC(Social service, Mobile, Analytics, Cloud)と呼ばれる新しい技術を取り入れている。とりわけクラウド(Cloud)は世界中で作業の効率化や製品の販売拡大に欠かせないものとなっている。

3.ビジネスについての知識・経験が豊か
 第3にeリーダーたちは、ビジネスを分析する能力や、プロジェクト管理能力など、ビジネスを進める上で必要な能力を持つ。企業の将来を見越して、事業やビジネスモデルを革新する。我々の調査によれば、eリーダーは様々な業界の出身者であり、その約59%がIT関連部門ではないビジネス部門に所属しているという。そして、多岐の分野にまたがるスタッフたちを掌握することに長けている。