
eリーダーとは
欧米ではグローバル化やデジタル化の進展を見据えて、ビジネスの創出や変革を担う「eリーダー」の育成が提唱されている。
インターネットを通して行われるオペレーションは肥大化の一途をたどり、我々はハイパーコネクティビティー(人と人や、人とモノ、モノとモノがネットを通してつながる)社会に生きている。しかし、インターネット上での最新のビジネスやデジタル技術に、私たちの知識や経験が追いついていないのが現状だ。
企業価値や業績を上げるために、今こそICT(情報通信技術)によるイノベーションと生産性向上を推進する強力なリーダーシップが求められている。
そのために必要な、いわば「eリーダーシップ」といえる能力が多くの企業にとって不可欠なものとなっている。最近の調査・研究では、ヨーロッパのIT分野におけるリーダーの指導者としての素養・力量はかなり低い、という結果が出ている。EU(欧州連合)の執行機関であるヨーロッパ委員会によると、IT能力が高い人材に対する需要は年々4%ずつ増加しているが、コンピュータ科学を学んだ卒業生の数はその需要に追いついていない。その結果、欧州の高い失業率にもかかわらず、ICT専門家の求人の多くを埋めることができない。国家レベルでこの問題に適切に取り組まなければ、EUのICTの専門家は2020年には82万5000人が不足すると試算されている。
ヨーロッパ委員会の援助によるプロジェクト、「LEAD(中小企業のためのeリーダーシップスキル=e-leadership skills for small and medium sized enterprises)」によって、欧州の多くのビジネススクールや大学が「eリーダーシップ」養成のプロジェクトを検討している。それと同時にビジネスの世界でこれまでeリーダーたちがどのように生まれてきたかも研究されている。
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