では何ができるのか?

 人口は「出生者数が死亡者数を上回る」か、「外国人の在留者が増えるか」によってしか増加しない。出生者数が死亡者数を上回るのは、日本では現実的には非常に難しいだろう。日本の人口構成比から言えば、今後も死亡者数が増加し続けるのは確実だからだ。一方の出生者数は増えるのか? これも現実的には難しいだろう。国連は2010年から2015年の5年間で530万人だった日本の出生者数が、2045年から2050年には430万人になると予測している。この現実を前にして行政当局は本当に有効な対策を取っているのだろうか? そしてそれらの対策で十分なのか?

日本人が外国人労働者を受け入れるのは可能か

 出生者数を維持するのが無理であれば、日本には別の解決策も考えられる。それは外国人労働者の受け入れである。しかし、外国人の長期在留者の数字を見ても、現在その数は他国に比べて非常に少なく、約250万人で総人口の2%にしか及ばない。

 歴史的に見ても、日本は長く外国に門戸を閉ざしてきた。日本人のいわば“純血主義”の意識の壁は高く、一部の韓国・朝鮮人のみに特別永住者として在留許可が与えられて来た。

 もっとも、現在では外国人受け入れにオープンな空気が流れつつあるのも事実。「WinGallup」の調査によると、外国人の受け入れを好意的に見る人の方が、批判的に見る人よりも多数となっている。

日本は人口学的に衰退の過程にある国家

 外国人労働者へのさらなる門戸開放を望む企業からの要請もあって、政府は外国人労働者の受け入れ枠をわずかではあるが広げている。フィリピン・ベトナム・インドネシアの3か国から介護福祉士を受け入れたり、学生・奨学生ビザの拡大、永住許可申請に必要な居住年限の短縮、高度外国人材や短期雇用の受け入れ活性化──などの措置をとってきた。

 とはいえ、今後50年間で1000万人の外国人労働者を受け入れるという目標を達成するには限界がある。外国人労働者が日本の人口問題を簡単に解決してくれるというわけにはいかないようだ。

 絶滅の危機にある国──という表現は大げさであるし、日本国民にとって大変失礼でもあろうが、日本は人口学的に衰退の過程にある国家であるということは言えよう。日本の政治家と国民は、社会が機能停止状態になる前に、国内・国外の両方から現在の人口動態を逆転させる有効な施策を模索していかなければならない。