住人が誰も住まなくなってゴーストタウンと化した長崎県・軍艦島。(写真:PIXTA)

子供がいなくなる日

 西暦4205年10月12日、日本から子供がいなくなる──。

 これは東北大学経済学研究科の吉田浩教授の研究室などが、現在の人口や出生率などのデータを基に算出した日付だ(「日本の子ども人口時計」2016年版による)。もちろん、この日は遥か遠い未来であり、計算通りに進むかどうかは神のみぞ知るだが、経済学者たちが言いたかったことは、「確実に日本が人口減少のステージに入った」ということだ。

 2016年12月には1億2692万人の日本の人口が、2050年には1億人を割り込み9708万人(国立社会保障・人口問題研究所の推計)に、2100年には8300万人(国連の推計)にまで減少すると予測されている。

 この人口の急降下の原因は何なのか。日本では死亡者数が出生者数を上回っており、数年前から人口減少が続いてきた。例えば2015年には約100万8000人の赤ん坊が生まれたのに対し、死亡者数は約130万2000人で、すでに年間30万人近い“人口赤字”となっている。

婚外子の割合も非常に低い

 “日出づる国”日本では結婚に興味を示さない人が増えた。一方で欧米諸国とは異なり婚外子の割合も非常に低い。国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年)の調査によれば、未婚者のうち恋人がいない人は男性で70%、女性で60%と前回調査よりも増加した。経済的な要因や慎重さがあいまって結婚する人の数が減り、子どもの出生率(2015年の合計特殊出生率)は1.45(2年ぶりに上昇したが)、女性の平均初婚年齢は29.4歳、平均初産年齢は30.6歳と晩産化が進む。

 多くの現代女性たちは「出産によって仕事を犠牲にしたくはない」と考えている。そのためこの数年間、日本の政府や地方自治体、企業は、女性が仕事か結婚・出産の二者択一を迫られる状況を打破し、出生率を上げるための措置を講じている。保育施設の充実、育児休業期間の延長、様々な経済的援助、夫が子育て・家事のための時間を取れるようにすること、そして不妊治療費の援助などだ。

一方、平均寿命は世界最高レベル

 ところで、平均寿命では日本は世界最高レベル(男性80.79歳、女性87.05歳)である。社会の高齢化は日本が抱える大きな問題の一つだ。65歳以上の人口は3300万人(構成比26.0%)で、15歳未満の人口(構成比12.8%)の約2倍(2014年の人口推計より)にまでなった。人類の伝統的なピラミッド型の人口比率が逆転している。その上、高齢者の中でも、80歳以上の人々が総人口の8%を占め、2015年には1000万人を突破、高齢者の分類の中でもさらに高齢化が進んでいるという現実がある。