「働き方改革」の一環で、日本人が自宅などオフィス以外の場所で働くことは普通のことになっていくだろう。(写真:PIXTA)

テレワークのコンセプトの変化

 「在宅勤務」(テレワーク)や「遠隔勤務」(リモートワーク)と呼ばれる勤務形態については、十数年前からすでに検討されてきた。しかし、その「コンセプト」は大きく様変わりしている。

 かねてから存在していた「在宅勤務」とは、特別な事情の下、限定された職種を担当する社員のみが、自宅で働くことを許されるというように、あくまでも例外として認められた形態だった。ところが現在、欧米の大手企業では働き方の一般的な形態のひとつとして制度に組み込むケースが増えている。

 また、しばしば日本では「在宅」勤務と訳されるが(本稿でも便宜上、「在宅勤務」という日本語訳を使っているが)、これはテレワーク(リモートワーク)の一側面にすぎず、実際にはオフィスや自宅といった特定の場所にとらわれない、自由度の高い働き方、ということがテレワークの本質である。

働きたいところで働けるようになった

 インターネットは多様なかたちのテレワークを可能にした。ネットを使うことで、各社員は働きたいところで働けるようになった。例えば、所属部門の会議にはネットを介して自宅から参加することにより、会社に行くという行為を最小限に抑えながら、オフィスと同等のパフォーマンスを出すことが可能になった。

 20年ほど前、1990年代の在宅勤務は、主として管理職ではない社員が病気やケガや、家庭の事情などにより、会社との合意によって期間を区切って実施する、というのが一般的であった。そして、インターネットのような通信環境が今ほど普及していない時代には、在宅勤務をする社員は孤立しやすく、会社の動きから疎外される傾向は否めなかった。

 しかし、現在では多くの企業が、幅広い部門の社員がテレワークで働くことを前提として制度設計を試みている。そして、このスタイルが企業に利益をもたらすという結果が出始めている。